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» 2006年07月10日 08時17分 公開

今どきのバックアップ入門:重くなるばかりのIT管理者の責任 (1/3)

90年代初頭のバックアップは、高価なディスク装置の利用効率を上げる目的だった。しかし現在ではその目的は様変わり。ここ数年のデータ管理ニーズは「事業継続計画」「コンプライアンス」と、IT管理者の責任を重くしている。

[堀江徹,ITmedia]

本記事の関連コンテンツは、オンライン・ムック「最新テクノロジーで効率化! 今どきのバックアップ入門」でご覧になれます。


 ここ数年注目が高まっているデータ管理ニーズとして「事業継続計画」(BCP)と「コンプライアンス(法令順守)」が挙げられる。今回は、これらの視点からデータ管理システムを考えていこう。どちらも企業のビジネスに密接に関連するテーマだが、IT管理者も意識しておきたいものだ。

データ管理に向けたビジネスからの要求

 ITシステムが広く企業のビジネスに利用され始めた1990年初頭、IT管理者の課題は、高価なメモリやディスク装置といった限られたリソースをいかに効率良く運用していくかに主眼が置かれていた。十分なディスク容量の用意が困難な当時の環境では、まず利用頻度の低いデータを2次メディアに退避させたり、データをバックアップして高価なディスク装置の利用効率を上げることがコストに直結する重要な役割だった。しかし、この数年でディスク装置は急速に大容量化、低価格化した。昨年の国内外のディスク装置の出荷容量は500P(ペタ)バイトに上り、2010年には3100Pバイトになると言われている。このような急激なディスク容量の増加と低価格化の中で、バックアップの目的も以前とは大きく変わってきている。

 一方で、ビジネスの側面を考えてみよう。データは既に企業の事業の中で重要なものとなっている。事業の継続性を確保するためにはデータを適切に管理することが欠かせない。万一データが消失し事業が中断するようなことがあれば、顧客へのサービス提供が停止し、企業の信頼は失墜する。苦労して育て上げたブランドイメージへの悪影響は避けられない。つまり、災害時や何らかの障害発生が発生して仮に事業活動が中断してしまったとしても、設定した目標復旧時間内に業務を再開させることがIT管理者に求められているのだ。

 このことがIT管理者の責任を重くしている。実際に自社の電子メールシステムや業務用のデータベースが停止したことを想像すれば、いかにビジネスに大きな影響が出るか、すぐに理解できるだろう。

事業継続計画を支えるデータ管理技術

 ここ数年来、事業継続計画を支えるデータ管理技術の1つとして、DR(Disaster Recovery:災害復旧)ソリューションに注目が集まっている。前回はRPOとRTOの考え方を説明したが、許容できるシステム停止時間であるRTOは、このDRと非常に密接な関係を持っている。災害からの目標復旧時間がまさにRTOのターゲットとなるからだ。もちろん、システムを停止させないことが一番の解決ではあるが、実際に停止してしまった場合にいかに短時間でビジネスを再開できるかどうか。このことが重要になってくる。

 しかし、膨大なデータ容量を抱えた大規模システムを短時間で復旧させることは容易なことではない。たとえ、スキルの高いIT管理者や、時間的なリソース、高価なマシンを用意しても十分な対応を行うことは困難だろう。そこで、かつては高価なディスク装置の利用効率を上げるために使われてきたバックアップ製品のオプション、リカバリ機能の重要性が高まっている。

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