ヤフー、グーグルらのケータイ進出 成否のカギはケータイルネサンスは起こるか 第3回(1/2 ページ)

ボーダフォンにおける「Yahoo! ケータイ」の誕生、「EZWeb」(au、KDDI)画面最上部におけるグーグル(Googleモバイル)の検索窓の出現、「iモード」(NTTドコモ)で10月から始まる検索サービスとそれに参加する複数の検索サイト…検索サイトのケータイ進出が相次ぐ背景にあるものは――。

» 2006年09月26日 08時00分 公開
[アイティセレクト編集部]

検索サイト進出の背景

 7月から次々に始まったケータイの検索サービスは、逆にいえば、検索サイトのケータイ分野への進出だ。では、なぜそれほどまでにケータイの世界は検索サイトにとって魅力的なのだろうか。

 その理由として、まず一般サイトの数が増え、その利用が伸びていることがあるようだ。ブログなどの普及もその増加要因の一つだといわれている。そうしたサイトは公式サイトより面白かったりニーズのある情報が載っているらしく、アクセス増につながっているのだとか。従来は主に口コミで広まっていたが、「QRコードによるアクセスなどで導入口が増えている」(NTTレゾナントのポータル事業本部メディア事業部ケータイ担当課長、青木至氏)という。

 一般サイトのニーズが高ければ、検索エンジンの出番となる。そして、そこでPCインターネットのような広告収益モデルを築く動きが生まれてくる。実際、「モバイルgoo」で1年前から検索連動型広告サービスを始めたNTTレゾナントでは、「数字が伸びていて、市場としてはある」(青木氏)という感覚をつかんでいる。

ユーザーにとってのメリットは

 検索サイトの前面露出はユーザーにとってもありがたいこととなる。すでに検索サイトは「お気に入り」に登録して使うのが一般的。ドコモユーザーである、IT関連企業E社の社長秘書、Nさんも「マイメニュー」(お気に入り)に登録している「Yahoo! モバイル」と「Googleモバイル」のヘビーユーザーだ。サイト探しはすべてこの二つで済ませているとか。「メニューリスト」はほとんど使わないという。IT関連企業A社で働くO氏の場合は「『メニューリスト』なんて何カ月ぶりにアクセスしたか分からない」というほどだ。このように、多くのユーザーは検索サイトを常用している。その「窓」がトップ画面に出てくるのであれば、「お気に入り」にアクセスする手間も省けることになる。その際、どこの検索サイトかはそれほど関係ない。「ユーザーにしてみれば、検索サイトのブランドは二の次」(ケータイ業界に詳しいライターの石川温氏)だからだ。

まずは「Googleモバイル」から――そんなユーザーも多いようだ。

備考

*1 本稿では、キャリアは携帯電話事業者を指す。現時点ではNTTドコモ、KDDI(au)、ボーダフォン(10月1日からソフトバンクモバイル)の3社になる。PHSのウィルコムは含んでいない。

*2 本稿における「携帯電話」「ケータイ」の使い分けについては、文脈や発言内容などに応じて変えている。例えば、「携帯電話事業(者)」としたり改まった発言である場合は漢字表記にした。基本的には、「携帯電話」という端末そのもの、手段、事業、分野などすべてにわたってカタカナ表記とした。

*3 本稿では、NTTドコモの「iモード」、KDDI(au)の「EZWeb」、ボーダフォンの「Vodafone live!」については「(ケータイの)インターネット」、パソコンなどで楽しむ、一般のインターネットを「PCインターネット」と称した。

*4 本稿中の数値・事象などは、例外を除き、すべて8月16日時点のもの。


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