早稲田大学電子政府・自治体研究所は日、主要32カ国を対象とした電子政府ランキングを公表した。日本は前回と変わらず4位で、ネットワークインフラの整備はされているものの、アプリケーション、コンテンツの普及率に課題が見て取れる。
早稲田大学電子政府・自治体研究所は1月29日、主要32カ国を対象とした電子政府ランキングを公表した。同調査は今回が3回目となる。
同調査は同研究所のスタッフと大学院国際情報通信研究科の研究チームが中心となって進めたもので、「ネットワークインフラの充実度」「アプリケーション・インタフェース・オンライン・サービス」「マネジメント最適化」「ホームページの状況」「CIOの導入・評価」「電子政府の戦略・推進・振興状況」といった6分野26項目の指標に基づき電子政府の進捗状況を明らかにしたもの。調査は2006年8月1日から11月30日にかけて実施された。なお、調査結果はこちら(PDF)で公開されている。
今回の総合ランキングを見ると、米国が1位、シンガポールが2位で、3位のカナダと入れ替わった。4位は、日本と韓国が同率で並び、オーストラリア、フィンランド、台湾、英国、スウェーデンの順となっている。
ランク | 第1回 | 第2回 | 第3回 |
---|---|---|---|
1 | 米国 | 米国 | 米国 |
2 | カナダ | カナダ | シンガポール |
3 | シンガポール | シンガポール | カナダ |
4 | フィンランド | 日本 | 日本、韓国 |
5 | スウェーデン | 韓国 | - |
6 | オーストラリア | ドイツ | オーストラリア |
7 | 日本 | 台湾 | フィンランド |
8 | 香港 | オーストラリア | 台湾 |
9 | マレーシア | 英国 | 英国 |
10 | 英国 | フィンランド | スウェーデン |
調査結果からは、「EA、IT投資効果などの電子政府の全体最適の取り組みは先進国と一部発展途上国間での差が縮まっている」一方、「3年間の傾向として、発展途上国の間のデジタルデバイドが格差拡大」「Webサイトは自国語版とほかの言語とでは内容が異なることも少なくない」「業務実態を反映しない視覚性重視の傾向が強い」「CIO(最高情報責任者)の導入に熱心だが、実績を挙げているのは少ない」「国際競争力強化へ国家戦略としての電子政府推進が急増」などの傾向が見られる。
日本について各分野で見てみると、基幹システムの最適化、統合ネットワークサービス部門の構築といったマネジメント最適化の分野では2位(5カ国同率)にランクされ、その成果を上げているものの、そのほかの分野では、インフラネットワーク整備はトップクラスだが、オンラインサービスの利活用は不十分で、国民への利用インセンティブを高める緊急な課題を指摘している。
なお、同調査を通して得られた問題点、課題としては次のようなものが挙げられている。
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