作者製「お祈りパンダ駆除ソフト」、中国の警察が無料配布へ

新華社の報道によると、お祈りパンダこと「熊猫焼香」ウイルスの作成容疑者自らが開発した駆除ソフトを、警察がダウンロード配信する予定だという。

» 2007年02月15日 10時27分 公開
[ITmedia]

 「お祈りパンダ」ことFujacksワーム作成の容疑者を逮捕した中国の警察が、この容疑者自らが作成したウイルス対策プログラムの配布を計画しているという。新華社の報道としてセキュリティ企業のSophosが伝えた。

 この事件では、お祈りパンダ(中国名は「熊猫焼香」)ワームを作成した疑いで、リ・ジュン容疑者が中国湖北省仙桃の警察に逮捕された。新華社の英語サイトが同警察の話として2月14日付で報じたところでは、リ容疑者は逮捕される前に同ワームの駆除プログラムを開発しており、警察でこの検証を済ませた後、1週間以内に無料ダウンロード提供を開始する予定だという。

 リ容疑者は、このウイルスが何百万台ものコンピュータに感染したと知って駆除プログラムを開発したが、自分の居所が警察に知れてしまうことを恐れて公開しなかったと供述。ウイルスは面白半分に作ったものだが、10万元(1万2887ドル)で12人に売り渡したと話しているという。

 だがSophosでは、ウイルス作者が作ったプログラムの利用には慎重になった方がいいと警鐘を鳴らしている。Fujacksに感染したファイルの一部は実行できなくなっており、作者が品質のことを真剣に考えてマルウェアを作成したとは思えないと同社は指摘。PCクリーンアップのためにはセキュリティ専門家が作ったプロのツールを使うよう勧告した。

 Sophosの調べでは、Fujacksは2006年10〜12月期だけでも3万1000のWebページに各種バージョンが仕掛けられていたという。

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