コンテンツビジネス化する盗撮を監視するASPサービス

ビットサーフとFOR-Sは、盗撮用の無線式カメラを見つけ出すASP型の監視サービス「Space Patrol」を開始する。

» 2007年02月22日 20時34分 公開
[高橋睦美,ITmedia]

 ビットサーフとFOR-Sは2月22日、店舗やオフィス内の無線電波をスキャンし、盗撮用のカメラを見つけ出すASP型の監視サービス「Space Patrol」の提供を3月1日より開始することを発表した。

 Space Patrolでは、デパートやスポーツジムの更衣室、ホテルなど、盗撮被害のおそれがある場所にFOR-Sが開発した専用端末「MIRCA 2.0」を設置し、空間を流れる電波をスキャンする。監視可能な範囲は半径約100メートルだ。FOR-Sでは、さまざまな無線式カメラが発する電波のパターンをデータベース化しており、これと付き合わせることにより、カメラの存在を検出する。

電波を検出するための専用端末「MIRCA 2.0」

 また、ビットサーフの親会社であるビットアイルのデータセンター内に「中央空間監視管制センター」を設置。インターネットを介して24時間体制でスキャン状況を監視し、携帯電話などほかの機器が発するノイズなどを排除し、実際に盗撮が行われているという場合にのみ警告するという流れだ。確認用の映像にはモザイクをつけているが、大まかな設置場所は把握できるという。その後の取り外しなどの対処は顧客に任せる。

監視センター側のモニター画面のデモ。電波の波形とアラートに加え、実際に撮影されている画像も把握できる

 FOR-Sの社長、西平隆氏は、盗撮という行為自体は30年前から存在していたが、カメラの高機能化やブロードバンド環境の普及によって、これまでとはまったく異なるリスクが生まれていると述べた。

 すでに盗撮する側では、女性の共犯者も含めた形で組織化が進んでおり、「盗撮したコンテンツをオンラインで販売する仕組みができている。一種のコンテンツビジネスとして、大規模な組織が映像をストックするようなことも起こっている」(同氏)という。

 Space Patrolで検出が可能なのは無線式カメラのみで、携帯電話のカメラやビデオカメラなどによる盗撮までは対応できない。しかし、「Space Patrolをベースのセキュリティとして取り入れることで、企業側の(盗撮被害対策への)意識向上に役立ててほしい」と西平氏は述べた。

 Space Patrolの価格は、MIRCA 2.0のリース料金も含め、月額3万3000円。代理店を通じて販売を進め、今後3年間で1万施設への設置を目指すという。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ