トリプルブート環境を実現――PCの話ではありません。あの“iPod”で、です。
ハードウェアにLinuxを入れたい――ハッカーへの第一歩とも言えるこうした思いを持つ人が、これまで、PS3やW-ZERO3でのLinux起動を成功させてきた。しかし、世の中にはもっと普及しているにもかかわらず、Linuxが入っていないガジェットが存在する――iPodである。
とは言え、これまでにiPodでLinuxを走らせるプロジェクトは数多く存在し、一定の成果を収めている。しかし、日本語に対応していないなどの理由で国内ではそれほどメジャーではない。
こうした中、オープンソース・ジャパン(OSJ)は、iPod向けに作成されているオープンソースのOSのインストール代行サービスを発表、7月1日より販売することを明らかにした。
このサービスでは、iPodLinuxとROCKboxという2つのOSとオリジナルのファームウェアの計3つのトリプルブート環境構築を検証し、インストールを代行する。新規のiPod購入者向けにプリインストールしたiPod 30Gバイトおよび80Gバイトモデルを販売するとともに、既存のiPodユーザーに対して、第5世代および第5.5世代のユーザーに限定して、インストールサービスを提供する。
iPodLinuxは、iPod上でLinuxを利用できるほか、音楽プレーヤーやゲームなども豊富に用意され、かつ、新たなアプリケーションを開発して使用することもできる。
一方のROCKboxは、音楽再生に重点をおいたOSで、音質を改善したファームウェアを搭載、細かな音質設定(イコライザなど)を行うことでiPodを自分の好みの音で楽しめる。さらに、任意の画像を再生中のバックに表示できる(別途料金)。
また、米MSB Technologyが発売しているS/PDIFとAES/EBUのデジタル出力でDAC(デジタル・アナログ・コンバータ)に接続できるように改造されたiPod「iMSB-Link」に、OSJがROCKboxからのデジタル出力対応設定をしたバージョンの環境をインストールしたものも販売される。
価格はiPod 30Gバイトモデルが4万2800円、80Gバイトモデルが5万5800円。インストールサービスは1万5000円。iMSB-Link(デジタル出力が可能なiPod 80Gバイトモデルが付属)が33万円。購入は同社Webサイトのほか、楽天市場OSJオンラインから行える。
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