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» 2007年08月29日 06時00分 公開

Webサイトを襲う えたいの知れない脅威の正体を追え:機能満載、多彩な仕掛け、それがボットの姿

犯罪をも引き起こすボットは、さまざまな経路をたどって侵入してくる。それも、たくさんの機能を備えて。その仕組みも、よく練り上げられている――。

[梅田正隆(ロビンソン),アイティセレクト]

複数台立てられている指令サーバ

 ボットに感染したコンピュータ群が、ボットネットをオンラインで運用管理するボットネット・ハーダーからの指令を待つ――ボットネットを構成するメカニズムは、いろいろある中でチャットの標準技術である「IRC(Internet Relay Chat)」を用いてネットワークを構成するものが多い。標準技術であるため目立たず、不正が発覚しにくいからだ。インターネット上に存在するIRC機能を実装する複数のサーバに侵入し、ボットに感染したコンピュータの指令サーバとして仕立て上げ、ボットネット・ハーダーの命令をボット化した各コンピュータに伝える中継地点とするのである。

 指令サーバを複数台立てるのは、そのうちの1台が停止した場合などでもほかを指令サーバとして引き継がせることができるからだ。こうして、ボットネット・ハーダーは大規模なボットネットの安定運用を図っている。

ふんだんに盛り込まれた機能

 ボットには、複数の悪意を持った機能が実装されている。例えば、ワームが持つ感染機能やスパイウェアの情報を盗む機能、あるいはトロイの木馬のバックドア機能などがある。厄介なのは、ボットの大群がネットワークを構成し、連携して機能することだ。

 ボット自体は、洗練され機能的にできている。すでに数百もの亜種が存在するボットを解析した結果、さまざまな機能が実装されていることが分かった。

 具体的には、ボット自身を最新のものに更新するメンテナンス機能、パスワードや暗号化などを用いた通信保護機能、対アンチウイルスや対コード解析用の防御機能、アカウントやパスワードなどを取得するキーロガー機能、感染したPCから機密情報を収集する機能、多様なルートを利用する感染機能、スパム送信やDoS攻撃を実行する攻撃機能――などが実装されていた。

 最近では、こうした機能が機能モジュールとして配布され、ベースとなるモジュールをまず感染させて追加のモジュールを組み立てるタイプのボットが出現する可能性もあるという。

感染ルートも多彩

 ボットの感染を防ぐためには、まず感染経路を知っておく必要がある。典型的な経路としては、メールによる感染がある。添付ファイルにボットが組み込まれ、受信者がそれをクリックしてしまって感染するものだ。同様に、ボットが組み込まれたWebサイトを閲覧することによって感染するパターンもある。あるいは、スパムメールにリンクされているURLをクリックすると、不正なWebサイトに強制的にジャンプしてしまい、感染するというものがある。

 そのほか、ソフトウェアの脆弱性が原因となって感染するというものがある。OSやブラウザ、アプリケーションなどの脆弱性を突かれ、不正アクセスを受けて感染するパターンだ。OSに脆弱性がある場合は、ネットワークに接続しただけで感染することもある。また、トロイの木馬によりバックドアを開けられ、そこから不正アクセスされて感染した例も報告されている(「月刊アイティセレクト」9月号のトレンドフォーカス「弱みにつけこみWebサイトを襲う えたいの知れない脅威の正体とは?」より。ウェブ用に再編集した)。

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