2分で分かる中国でのITアウトソーシングパートナーの見つけ方Magi's View(1/2 ページ)

中国へのオフショアリングを検討しているなら、企業が国外のアウトソーシングパートナーを探し出すことの実現可能性と価値を評価するための3つの重要な手順は知っておいて損はない。

» 2007年09月29日 00時56分 公開
[Matthew-Growney,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine

 IT開発プロジェクトの中国へのオフショアリングを検討中の企業が求めているメリットは、単純なコスト削減の域を超え、高い教育を受けた労働力、世界に通用するITインフラストラクチャ、転職率の低い従業員、知的財産の保護に対する積極的な態度といったものへと拡大している。事実、中国はIT開発/アウトソーシングの展望を、インド、タイ、フィリピンのような国々が市場にひしめく低コスト指向の戦略から、より優れた価値と人材、重要な組織的主導権を伴った提携を重視したものへと転換しようとしている。

 CEO(最高経営責任者)、上級幹部社員、または理事会から中国へのオフショアリングの承認を受けた後には、企業が国外のアウトソーシングパートナーを探し出すことの実現可能性と価値を評価するための3つの重要な手順が存在する。

パートナー候補を明らかにする――IT調査会社のGartnerによると、アジアには約3万のITおよびソフトウェア会社があり、そのうちおよそ1万社が中国政府公認のソフトウェア会社である。その多くは最低限のプロジェクト管理機能と構築機能しか持たない小規模な会社だが、若い開発者たちは主としてJava、Windows、汎用のCプログラミングの各環境を重点的に扱っている。

 こうした規模の会社には一般に25〜50名ほどの社員しかいないため、扱えるプロジェクトの範囲には制限がある。このような会社の中にはオフショア開発を得意とするところもあれば、電子政府やゲームなど特定の分野を専門に扱う傾向の強いところもある。会社による品質の差が大きいため、慎重な選択の上でオフショアへの移行を決断すること。

 国外のパートナーを探すときには、Fortune1000社がオフショアリングのニーズをどこに向けているかに注意する。資金面における検討事項は中小企業のそれとは違うかもしれないが、そうした企業グループは考慮すべき要件の適切な重み付けや最もふさわしいパートナー選択を行うためのベンチマークとみなせる。例えば、BoeingやCitibankにとって好ましいパートナーは、コンシューマー指向の会社にとって申し分のない条件をそろえている可能性がある。

 また、新たに獲得した人材プール、開発環境、戦略的提携関係を誰が活用するのかも検討すること。オフショア移行の妥当性を判断するに当たって、コストは確かに主導的な要因だが、パートナー側は世界でもトップクラスの開発者、重要なグローバルベンダーとの関係、最新テクノロジーの提供といった点を十分に意識しているはずだ。この点については、すでにITアウトソーシングのコミュニティーにおいて高い評価を得ている企業の事例をあたってみるのが最善である。

 さらに、パートナー候補の最終決定の前には必ず顧客との取引履歴をチェックしておく。人目を引くWebサイトは大いに結構だが、会社名や実際の運用実績が正確に分からない場合は、ほかの顧客の意見を探し出すしかない。

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