ネットエージェントはWinnyネットワーク上に流通する流出ファイルの所有者の傾向を調査。掲示板への書き込みや報道があると所有者が増える傾向があるという。
ネットエージェントは10月16日、P2Pファイル共有ソフトWinny/Shareの8月におけるノード数推移について調査リポートを明らかにした。同時に、Winnyネットワークに流出したファイルの追跡調査についても結果を公表。流出ファイルの中にはネットワーク上から消滅したものがあるとした。
同社の観測によると、8月のWinnyノード数については31万から41万を推移、ゴールデンウィーク期間中の計測ノード数のピーク値よりは減少したものの、依然40万を超えるなど多くのユーザーが日常的にWinnyを利用している実情がうかがえるとしている。
Shareノード数については平均約15万ノード、お盆明けには約17万ノードを記録し、5月の連休の平均値を上回る、観測開始以来の最大値を示す結果となった。
またネットエージェントは、Winnyネットワーク上の流出ファイルについて、その所有者数の推移を調査している。「インターネット掲示板への書き込みまたはインターネットへの情報掲載があるもの/ないもの」「プレスリリースまたはニュース報道があるもの/ないもの」という条件から流出ファイルをサンプリングし、ハッシュ値など流出ファイル固有の情報を基に、同社の検知システムで発見した流出ファイルの所有者の日ごとのユニーク数を調べた。
それによると、暴露ウイルスなどによりWinnyネットワークに流出したファイルにおいても、その後Winnyネットワーク上から消滅したものがあるという。この場合の消滅とは、所有者がWinny検知システムで発見されたときから連続で30日以上確認できていないことを指す。これらは、掲示板の書き込みやWebでの情報掲載、プレスリリース(ニュース報道)のいずれでも取り上げられなかったもの。Winnyネットワークにおいては、元のファイルまたは完全なキャッシュファイルが、所有者やダウンロード成功者による削除でネットワーク上から消滅してから約1500秒(25分)でネットワーク上から存在しなくなる。
一方、発見された時点から120日後までWinnyネットワーク上で消えなかった流出ファイルについては、掲示板への書き込み、Web情報掲載、プレスリリース(ニュース報道)のいずれかがなされたものだ。同社によると、情報の掲載やニュース報道などが行われると、流出ファイルの所有者が増加して、Winnyネットワーク上にファイルが長期間保持される傾向にあるという。
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