国民性を考えればコンテンツの違いも?――YouTubeとニコニコ動画の動向オルタナブログ通信(1/2 ページ)

年末が近付き、アルファブロガー・アワード2007も発表された。それにしても今年は、漢字「偽」に象徴されるようにさまざまな偽装、不信に振り回された1年だった。一極集中やネットの恐怖など、オルタナティブ・ブロガーは、独自の視点から解き明かしていく。

» 2007年12月21日 13時49分 公開
[森川拓男,ITmedia]

アルファブロガー・アワード2007

 12月7日、「アルファブロガー・アワード2007」のイベントが開催された(関連記事)。イベントでは、「アルファブロガー・アワード2007」の結果発表や、デイリーポータルZ林雄司氏による特別講演などが行われた。

 アジャイルメディア・ネットワークとシックス・アパートが事務局となるアルファブロガー運営委員会によると、「アルファブロガー」とは、「多くの人に影響を与えているブログの書き手のこと」という。毎年、新しいアルファブロガーが選出され、アルファブロガー・リストに追加されている。

 このイベントに、オルタナティブ・ブロガーからも小林啓倫氏「シロクマ日報」が参加された。それを受けて投稿された自分にしか書けないブログというエントリーでは、良質なブログとは何かという考察をされており興味深い。指摘の通りだが、実際にはそれがなかなかできないのが、一般のブロガーの哀しいところなのかもしれないと感じた。

 また、直接「アルファブロガー・アワード2007」には触れていないが、妹尾高史氏「抱き込め!ユーザー、巻き込め!デベロッパー」「プロ」の「ブロガー」は存在し得るか?も、興味深いエントリーだった。「アルファブロガー」≠「プロブロガー」ではあるが、イメージとして「アルファブロガー」=「アマチュアではない」という感じを持ってしまうこともあるからだ。この機会に考えてみるのも一興かもしれない。

オルタナブロガーの二極化?――吉川氏の指摘

 ITmediaのビジネス・ブログメディアが「オルタナティブ・ブログ」では、150組近くのオルタナティブ・ブロガーが、ITにまつわる話題などを独自の視点から、日々発信している。「オルタナブログ通信」は、この「オルタナティブ・ブログ」に投稿されるエントリーの中から幾つかをピックアップ、読者へナビゲーションする目的で連載しているものである。

 今回は、12月6日〜12月12日に投稿された190近いエントリーの中から、次のキーワードに着目した。そのキーワードとは、冒頭で触れた「アルファブロガー・アワード2007」のほか、「一極集中」「信じる」「動画共有」「ネットの恐怖」などだ。これらのキーワードを軸にして、オルタナティブ・ブログに投稿された各エントリーの中から、筆者の視点でピックアップさせていただいた。読者が「オルタナティブ・ブログ」を読む際の参考にしていただければ幸いだ。

12月6日〜12月12日を最新としたオルタナティブ・ブログのステータス

 今回もオルタナティブ・ブログの「見える化(可視化)」を行った。12月6日〜12月12日を「12月1週」として、過去8週間分のデータをグラフ化したものだ。

 前回、大幅増となった投稿エントリー数は、少し下がったものの、ここしばらくの傾向からすれば順当といえるだろうか。今回、新たにイーキャッシュ執行役員の須永啓太氏「WEBを知り、RFIDを知らば、CRMは危うからず」が、オルタナティブ・ブロガーとして参加しており、今後が期待されるところだ。

 また、今回は吉川日出行氏「ナレッジ!?情報共有・・・永遠の課題への挑戦」[定点観測]実名ブログ界の動向 2007年11月版〜年間通じてアクセスを集める凄いオルタナ・ブロガーが投稿されている。年内最後の定点観測ということで、2007年のまとめもされているので、ぜひ読んでほしいと思う。

 このレポートでも触れられているが、最近は特にオルタナティブ・ブロガーの二極化が進んでいるような気がする。吉川氏の指摘は、ブロガーランキングの固定化であるが、筆者が気になっていたのは、投稿数。大量に投稿するブロガーと、週一ペース程度の投稿をするブロガーの二極化だ。その裏に、休止状態のブロガーもいるのだが。吉川氏も指摘するように、この投稿数も、ランキングに影響を与えている一因かもしれない。今後に注目したい。

 ここで、12月3日〜12月9日の週間アクセスランキングから幾つか紹介しよう。

 何と、1位にランクインしたのは合コンに始まった2人は合コンに終わる(一般システムエンジニアの刻苦勉励)という、最近の時事問題とも、IT関連とも異なるものだった。やはり、時節柄であることと、このタイトル付けの妙だろうか。

 そして、著作権絡みのエントリーが、上位にランクイン。栗原潔氏「栗原潔のテクノロジー時評Ver2」からは、なぜ私はJASRACと契約するに至ったかが2位、なぜ私はJASRACと契約するに至ったか(続き)が9位にランクインしている。

 そして、「初音ミク」から派生した話題も相変わらず上位に入っているのが分かる。松尾公也氏「CloseBox and OpenPod」からは、「鏡音レン」登場で可能になることが3位、本当は残酷な「大きな古時計」の続編を初音ミクで:その1が4位、なぜYouTubeでなくてニコニコ動画なのか、投稿して分かったことが5位に入っている。さらに、動画サイトという点では、日本はニコニコ動画、欧米ではYouTube(ナレッジ!?情報共有・・・永遠の課題への挑戦)が8位に入っていた。

 著作権や初音ミク関連は、複雑に入り組んでいるため、今後も読者に注目されることは間違いない。注視したい。

 それでは、12月6日〜12月12日のオルタナティブ・ブログに投稿されたエントリーから、幾つか見ていこう。

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