「あなたは有名人とどれくらい似てる?」2007年のヒット商品として話題に挙がるのが『顔ちぇき!〜誰に似てる?〜』だ。『顔ちぇき!』を提供するジェイマジックの宮田拓哉社長に話を聞いた。
「あなたは有名人とどれくらい似てる?」
2007年のIT関連のヒット商品として話題に挙がるのが、ジェイマジックが提供する携帯電話向けサービス『顔ちぇき!〜誰に似てる?〜』だ。顔ちぇき!は、携帯電話のサイトにアクセスして、自分や友達の顔写真を電子メールで送ると「似ている有名人3人と、どれくらい似ているか」を教えてくれるモバイルサイトだ。10〜30代を中心に人気を集め、2007年4月のサービス開始から12月までで累計利用者が8000万人を超え、12月27日からはKDDIのEZweb公式サイトになるなど、多くのユーザーから支持を集めている。「ケータイカメラとネットワークをつなげたらすごいことが起きた」と話すジェイマジックの宮田拓哉社長に話を聞いた。
ITmedia 2007年は『顔ちぇき!』がヒットしました。
宮田 顔ちぇき!のヒットは2007年の一番大きな出来事でした。「○○に似ているね」というコモンフレーズをアプリケーションにできないかと模索したことがきっかけで開発したサービスです。会社を知ってもらえたことで、派生的に別のサービスが、優秀な人材を採用できたりなどの利点もありました。
『顔ちぇき!』はとてもシンプルな娯楽サイトである点が人気の秘密と考えています。利用者は、いつも持ち歩いている携帯電話のカメラで顔の写真を取って、メールで送るだけですぐに結果が楽しめます。われわれは、モバイルのインターネットと画像認識の技術でそのサービスを支えています。ケータイカメラとネットワークをつなげたらすごいことが起きました。
ちなみに、この画像認識技術はもともと、顔写真から不審人物のデータベース、つまりブラックリストを作るなどの国防やセキュリティの発想で生まれたものです。
ITmedia 宮田さんのインターネットへの考え方を教えてください。
宮田 わたしがインターネットビジネスに惹かれる理由は、他の業界のような「やり尽くされた」感覚がないからです。検索キーワード広告事業のグーグルやオーバーチュアなどは、これまで市場がなかったところに突然生まれた企業で、可能性に満ちている点が魅力です。新しいアイデアが人間のライフスタイルを目に見える形で変えているわけですから、それは楽しいです。
ITmedia 新しいサービスを世に送り出す際に、どんな人材が必要と考えていますか?
宮田 通常、企業で働く技術者は顧客が欲しがる商品を作るようにいわれるかもしれません。カスタマーオリエンテッドといった手法ですね。わたしはむしろ「セルフオリエンテッド」な人が必要と考えています。自分が欲しいものを作るという意味です。
人々のライフスタイルを革新するほど突き抜けた技術をつくるには、技術者自身が「どうしても欲しいと思うからつくる」といった思い入れが必要だと考えています。それが従業員である技術者やユーザーの幸せにつながれば一番いいですね。とことん楽しんで仕事ができるかがカギということです。
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