静電気の季節到来!――帯電体質はツラいよね悲しき女子ヘルプデスク物語(1/3 ページ)

乾燥しがちな冬の空気。しかもオフィスでは空調によってさらに湿度が下がりがち。そうなると恐いのは――そう静電気です。PCでばちっ。プリンタでばちっ。もちろん、ドアノブでも。ああ、春よ来い。

» 2008年11月19日 08時30分 公開
[鐙貴絵,ITmedia]

冬到来! ツラい静電気の季節です

 「いたっっ!」

 オフィスのどこからか上がる、小さな悲鳴。何事? とばかりにあたりを見渡すわたし。でも声の主を見つけるその前に、フロア全体に響き渡るような大きな声で再び叫び声が……。

 「ひやぁぁぁぁーーー…… こ、壊しちゃったぁ〜?」

 その声に反応して、フロア中の視線が1カ所に集まった。もちろんわたしも、声の発生源に視線を向けてみる。

 視線を釘付けにしたのは同じ部署、すなわちヘルプデスク仲間のA子。当のA子は、みんなの視線を集めたことに気づいてはおらず、完全にそこで固まっていた。今、自分が確実にしでかした「何か」をかみしめるように。いや、もしかしたら「これは夢だ、夢に違いない!」と思い込もうとしているのかもしれない。

 A子は我に返ると、おもむろに振り返ってわらにもすがるようなウルウル目(死語?)で、わたしに何かを訴えている。このウルウル目からは、同時に「正体不明の光線」が発射されている。まるでウル○ラマンのスペ○ウム光線のような……。投げかけられたが最後、この必殺技からは逃れなれない。A子の目(というか、顔のパーツすべて)は大きいのでなおさら。

 うっかり腰を浮かすわたし。部署内のほかのメンバーは、何事もなかったかのように仕事に戻った。しまった、また貧乏くじをひいちゃった(ごめん、A子。貧乏くじなんて言っちゃって)。ほかのメンバーの背中からは「君子危うきに近寄らず」とか「面倒に巻き込まれなくてすんだ」という空気がただよってくる……。

 わたしはA子のところに移動しながら、A子が発した「痛い!」と「壊しちゃった?」の2つのセリフについて考えた。何が起こったのかしら? もしかして、何かを蹴飛ばしてそれを壊してしまったとか? そういえば、タンスの角に足の指をぶつけたときの痛いこと痛いこと。デスクの脚にむこうずねをぶつけた時も痛かったなあ……。それとも、ぶつかった拍子に手に持っていたコーヒーをPCにぶっかけてしまったとか? そんな時は、あわてずにキーボードを助けるものなのよ……。などと考えること数秒間。A子のところに着いてみれば、彼女はモノクロレーザープリンタのところで、手を押さえながらうずくまっていた……。

イラスト:本橋ゆうこ イラスト:本橋ゆうこ
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