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» 2009年06月25日 08時00分 UPDATE

悲しき女子ヘルプデスク物語:握っちゃダメ! マシンはか弱くデリケート (1/3)

潰される液晶に、止まってしまうサーバのファン……。けなげに働くIT機器は、同時にとってもデリケート。優しく使ってあげなくちゃ。

[鐙貴絵,ITmedia]

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 「えー! ちょっとまってえ!」

 皆の視線が、一気にわたしに向けられる。でも、わたしが何かしでかしたとか、何かされたとかじゃないのよ。何かされたのは、ディスプレイなのだ。

液晶画面を握りつぶす!?

 今日は、半年に1度、開催される、社内IT研修の日。

 わたしたちヘルプデスク部門の仕事は、社内のトラブルシューティングだけではない。トラブルが起きないよう、事前に情報を発信したり、新しいアプリケーションが導入されればその使い方の研修をしたりといった役割もある。これも立派な、ヘルプデスクの仕事だ。トラブルが起きてから対処するのではなく、考えられるトラブルの芽は事前に摘んでおきましょう、というわけ。

 わたしは、人前で話をするのが嫌いではない(いや、むしろ好きなほうである)。今日もセキュリティ関係の話をしろと、研修会場に駆り出されることに。

 さて。少し時間には早いが、研修会場の状況を見ておこうと会議室へ向かったわたし。「おはようございます。今日はよろしくお願いします」と、会議室へ入っていく。会議室では、若い(体育会系の)男性担当者がデモを行うための講師用PCをセットアップしていた。セットアップされた講師用PCはデスクトップタイプで、最新(と思われる)液晶ディスプレイには Windows XP標準の「草原の壁紙」が表示されていた。

 液晶ディスプレイは講師側に、つまり聞き手からは見えない向きに置かれている。わたしは教壇側に立ち、液晶ディスプレイの画面と聴衆席が見える向きに立っていた。若い(シツコイが体育会系の!)担当者は、PCと液晶ディスプレイが置いてある机を挟んで、わたしの向こう側にいる――。

 体育会系担当者のたくましい腕から伸びたゴツい指は、液晶ディスプレイのフレームをしっかりと握っている。いや、正確には、液晶画面を握っている……。液晶画面側に指が4本、そして液晶の裏側には親指をかけて、クレーン車が荷物を引き上げる要領でディスプレイを「がしっ」と“わしづかみ”にし、持ち上げたのだ。

イラスト:本橋ゆうこ イラスト:本橋ゆうこ

 あまりの“早業”に、即座に対応できなかったわたし。しかし視線は、液晶画面についた「指の跡」に釘付けである。力いっぱい圧迫された液晶画面は、わたしにはややヘコんでいるように見えた(本当にヘコンでいるわけではないのだろうけど)。圧迫された部分の色あいは妙に黒くなっていて、まるで手垢がついているよう。やがてその指の跡は、じわじわともとの色合いに戻っていった。スロー再生のようにゆっくりと。その不思議な光景に思わず見入ってしまった――。

PC用の液晶とケータイの液晶は違います

 数秒後、我に返ったわたしは、目の前で起こった出来事を、頭の中で反すうした。そして発した言葉が、冒頭の「えー! ちょっとまってえ!」だというわけ。今さら叫んでも、もう遅いというのにね。

 わたしの明らかにタイミングを外した叫び声によって、その場にいた全員に注目される事態になってしまった。皆の頭の上に「?マーク」がいっぱい浮かんだことだろう。お騒がせしてすみません――。


 液晶画面はその構造上、圧迫などの加重にとても弱い。本来であれば、液晶画面の表面を硬質のガラスやアクリルなどでカバーすればいいのだろうが、そうではないディスプレイも多い。加重をかけた部分から壊れてしまうことも多く、またすぐには壊れないまでも、映りが悪くなってしまう可能性もある。今回はたまたま、そのような事態にはならずホッとしたけれど、もしかして「ケータイのものとは違い、PCの液晶画面はデリケート」ということを知らない人って多いのかな? 貸与しているPCの液晶を社員がどう扱っているか、ちょっと心配になってきた。

 液晶に限らず、わたしたちの周りにある多くのIT機器は、とてもか弱くてデリケートだ。気にかけていない人も多いようだけど、IT機器は、一応「精密機器」である。あまりにも身近になりすぎて、そのことを忘れてしまっているようだ。わたしも気を付けなくちゃ。

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