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» 2009年07月16日 08時00分 UPDATE

わが社のコスト削減:開発コストを下げ“NGNの裾野”を広げる (1/2)

ソフトフロントは5月よりNGNアプリケーション開発キットの無償提供を開始した。同社取締役の佐藤和紀氏にその経緯と特徴について聞いた。

[神野雄一,ITmedia]

 安定した高品質な音声や映像通信を可能にする次世代ネットワークとして注目を集めるNGN。だが、これまでNGNに関するアプリケーションを開発するためのハードルは決して低いものではなかったという。NGNアプリケーション開発の現状をソフトフロント取締役 佐藤和紀氏は次のように話す。

 「例えば、国内でNGNサービスを提供している事業者がNTT東西のフレッツ光ネクストに対応したプロダクトを開発しようとする場合、フレッツ光ネクストの「UNI(User-Network Interface)」という技術仕様書が必要になります。また、NGNの規格に沿った通信制御、音声や映像の信号処理、伝送制御のための各種ソフトウェアを新たに開発しなければなりません。さらに、完成したアプリケーションを市場に投入するにはNTT東西のテストベッドで詳細な検証を受けることが義務付けられています」

 このように、NGNアプリケーション開発は課題の多いものとなっている。特に中小のベンダーにとっては深刻だ。「この状況がNGNに対するアプリケーション不足にもつながり、それによってNGNのサービスが“裾野”から広がらないといった、いわゆる“卵とニワトリ”の状態を生んでいるのです」(佐藤氏)

ローコストかつスピーディな開発の支援

ソフトフロント 取締役 佐藤和紀氏 ソフトフロント 取締役 佐藤和紀氏

 NGNのテレビ電話アプリケーションを開発する場合、通信制御やコーデックの開発などが必要になる。さらに、実際のアプリケーション開発やその検証工程を加えると、どんなに少なく見積もっても8カ月以上掛かってしまうという。NGNアプリケーションの開発は、このように手間と時間、そしてコストが掛かるものだった。

 そのような状況を打開するべく、ソフトフロントではNGNアプリケーション開発キット「SUPREE Vision Premier」の提供を開始したという。

 SUPREE Vision Premierでは、上に述べたような通信や音声の制御などの機能はAPIとして提供される。そのため開発者はあらかじめ準備されたプログラムを組み合わせることでNGNアプリケーションを作成できるようになっている。また、仕様書への対応、検証作業もソフトフロントが実施済みなので、手続きを簡略化できるという。このキットは、開発用途であれば無償で提供される。これによってユーザーはNTT東西と契約や検証などのやり取りをすることなく、また、APIを活用することで開発期間を短縮しできるという。ソフトフロントの試算ではSUPREE Vision Premierを使用することで、これまで8カ月掛かっていたTV電話アプリケーションの開発が、1週間程度で可能になるという。

090716sflty1.jpg Windows上でSUPREE Vision Premierを用いて開発したTV電話アプリケーション画面

 「事務的なところでも手間を削減し、開発においても容易に短期間でNGNの機能を使ったアプリケーションを作成できます。また、SUPREE Vision Premierは無償で使えるツールなので、参入するアプリケーションベンダーとしてもコストが大幅に削減されます。これまで開発のハードルが高いと言われていたNGNアプリケーションですが、より現実的に利益を追求できるコストで開発を進められるようになるでしょう」(佐藤氏)

 SUPREE Vision Premierは無償で提供されるが、実際に開発を行う際のサポート(すべてパックにして年間10万円)などを有償にする。また、エンドユーザー所有時のロイヤリティ(売り切りとして1インストールPC当たり600円強)をソフトフロントの収益とする。

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