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闘うマネジャー:自治体にとってのクラウドコンピューティングのメリットとは (1/2)

クラウドコンピューティングは各地方自治体にとっても重要にキーワードだ。しかし共同でシステムを活用して「割り勘にすれば安くなる」となればいいが、参加者全員が満足・納得するようなシステムは複雑かつ高額でしかなく、「割り勘にしても安くならない」のが現実だ。


毎年5700万円の負担金

 自治体ではASPという単語を用いることが多いようだが、クラウドは自治体にとっても重要なキーワードとなっている。重要視される理由は以下の2点だ。

  • 総務省の提唱を受け、県と市町村で「電子申請の共同化」を進めたが、低い利用率と高額な運用経費の問題から、「やめたい」もしくは「離脱したい」とする市町村が増加し、経費が安いとされる電子申請クラウドへの移行が検討されるようになっている。
  • 著しい財政力低下と自治体間の体力格差の増大から、同一歩調を前提とする共同化は採用しがたい状況にあり、「参加時期も自由」、「離脱も自由」というクラウドを求めるようになっている。

 共同化する理由は「割り勘にすれば安くなる」ということなのだが、参加者全員が満足・納得するようなシステムは複雑かつ高額でしかなく、「割り勘にしても安くならない」のが現実だ。例えば、すべての自治体が参画しているネットワークであるLGWANは、共同化システムの代表だが、長崎県はこのネットワークに毎年5700万円の負担金を求められている。どう考えても高額だ。高額だから激速だとか災害に強いかというとそうでもない。20Mbps程度の速度だし、センター集中型のネットワークなため、破壊もしくは故障があれば即無能となる。BCP(事業継続計画)の観点からは「お粗末」と指摘されるような代物だ。

 結局、霞が関が考えるがままに共同化を進めても高額になるだけというのが実態だし、BCPなどの問題を指摘すれば改善のためにさらなる費用負担を求められかねない状況にある。ある時、霞が関の方に「考えの方向性は分かりますが、メーカーの言いなりでお金を掛け過ぎなのではないですか。軌道修正をされてはどうでしょうか」と聞いたことがあるのだが、答えが良かった。

 「われわれは考えや方向性を示しただけで、賛成し採用をされたのはご自身方自治体ではないですか」

 パスポートの電子申請の時もそうだった。国から長崎県に来ていた方が「パスポートの電子申請を是非進めてくれ」というので作ったのだが、翌々年、外務省がパスポートの電子申請停止を通告してきた。「こっちは作らされたも同じだ。かけた費用が無駄なってしまうではないか。ふざけるな」という趣旨を丁寧にオブラートした文書で提出させてもらったが、帰ってきた答えは先と同様。

 「採用を決めたのは、長崎県では?」

 筆者の方向性が変わったのはこのときからである。国の考え方や方向性は承るが、実施・実現の手法や手順に関しては独自にしっかりと考えさせてもらう。費用対効果が説明できないような手法は不採用とする。また、納得できる手法を見いだせなかった場合は、時期を待つこととした。

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