ソーシャルメディアマーケティングの戦略を立案する場合、ソーシャルメディアの特性を理解した上で、目標数値に落とし込む必要がある。マーケッターが最低限理解しておくべきポイントを整理しよう。
ソーシャルストリームは、同一のWebサイトにデータが常にとどまる状態から、無数のWebサイトをまたぐようにデータが流れる状態に変化した現象を指す言葉だ。ソーシャルメディアは、ソーシャルストリームによってリアルタイムに伝達される情報を媒介している。
企業がこのソーシャルメディアをマーケティングに生かす際には、さまざまな要素を勘案しておく必要がある。例えばコストだ。ソーシャルメディアは無料で活用できるが、専任の担当者を立てる必要があり、そこに人件費が掛かる。
ツールによって役割が異なることも理解しておくべきだ。まとまった情報の公開に向くブログやSNS、顧客との対話や経過を報告するTwitterなど、自社のマーケティング活動との親和性を考えておこう。マス広告との連動の有無も検討事項だ。
これを踏まえた上で、ソーシャルメディアマーケティングを実施する企業は、自身で公式アカウントを作り、情報を発信していくことが求められる。そのために必要な考え方を3つの英文字で表すと「SMO(Story - Messages - Objectives)」である。
ソーシャルメディアマーケティングを成功に導く最良の選択肢は、ソーシャルメディアの特性を踏まえた上で、公開する情報やブランディングの手法を考え、目標を明確に設定することだ。
ペルソナとは、事業ターゲットとしてのユーザー層のデータを分析して、典型的な特徴を推定したユーザーモデルという意味のマーケティング用語だ。顧客の年齢層や性別、年収、趣味を想定して架空の人物像を作り出し、商品開発やプロモーションにつなげていく手法をペルソナマーケティングと呼ぶ。
だが、ソーシャルメディアマーケティングにおけるペルソナの定義はこれとは異なる。情報を発信する側にペルソナを当てはめるのだ。
ソーシャルメディアマーケティングを実施する企業に求められるのは、顧客の対話相手という役割だ。話し相手として適した人格をあらかじめ設定する必要がある。企業側の情報を単純に提供するだけでは駄目なのだ。これがソーシャルメディアマーケティングを行う上で必要なペルソナであり、便宜上「SMM(ソーシャルメディアマーケティング)ペルソナ」と呼ぼう。
SMMペルソナの設定には、(1)現実の人格をそのまま使う、(2)スタッフとしてペルソナを使う、(3)架空のキャラクターを使う(例:ガチャピン、毎日新聞のコッコちゃん)、(4)ボット(ソーシャルメディア上で自動回答するプログラム)――の4パターンが考えられる。ソーシャルメディアマーケティングの目標にあわせて、SMMペルソナを選ぼう。
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