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» 2010年03月29日 14時00分 UPDATE

「実名・顔出し」というフリーミアムの形 (1/2)

Webにおける新たなビジネスモデルとして、「フリーミアム」が注目を集めている。ループス・コミュニーションズは全社員が「実名・顔出し」で情報を配信する専用サイトを立ち上げた。ユーザーへの貢献を軸にした情報配信で案件獲得を見越す。情報の選別による新たなフリーミアムの形が見えてきた。

[藤村能光,ITmedia]

 新たなビジネスモデルとして注目を集めるのが「フリーミアム」だ。無料のサービスや商品で利用者を集め、追加機能で課金をする。Webでは、サービスを提供するコストがゼロに近くなったため、数%の有償サービス利用者を集めれば、利益が得られるという仕組みだ。

 ループス・コミュニケーションズは、全社員が顔を出し、実名でソーシャルメディア関連の情報を配信するWebサイト「Looops Trends」を公開した。特定のテーマにひも付く情報を実名で届ける仕組みが、本業の売り上げにも結び付くという。同社の取り組みからは、人が情報を選別し、「信頼のある情報」に変えることでユーザーを集めるという新たなフリーミアムの形が見えてくる。

実名・顔出しによるユーザーへの貢献

 「信頼や貢献という視点が第一。利益を出そうとすると失敗する」。ソーシャルメディア関連のシステム構築やコンサルティングを手掛けるループス・コミュニケーションズの斉藤徹社長は力を込める。Twitterを中心としたソーシャルメディアが、企業の情報配信や顧客獲得の手法を変えていく中、同社は新たな一手を打ち出した。

image Looops Trendsのトップページ。社員やパートナー企業の担当者が、ソーシャルメディアと自身の専門分野に関連する情報を届ける

 Looops Trendsは、斉藤社長を筆頭に管理系を除く6人の全社員が「実名・顔出し」でソーシャルメディア関連の情報を配信するWebサイトだ。画面には、同社の社員やパートナー企業の担当者の顔が並ぶ。「ソーシャルメディア全般」「ソーシャルメディア・ポリシー」など、それぞれが専門分野と自認するテーマを設け、関連するニュースサイトやブログの情報を配信していく。

 利用者の利点は、特定の人が情報を選別する「ソーシャルフィルタリング」を介することで、質の高い情報を獲得できることだ。斉藤社長はLooops Trendsの役割を、「ソーシャルメディアに関連する情報をいち早く社員、顧客に発信すること」と話す。

 こうした情報発信は、営業力の強化にも結び付く。同社の主要顧客は、「ソーシャルメディアに関心のあるアーリーアダプター」。こうした層にリーチできるのは広告ではなく、人という属性にひも付いた信頼感のある情報だ。斉藤社長は「届けるのは情報だけではなく、ユーザーへの貢献の気持ち」という姿勢を崩さない。

 そんな情報が集まるLooops Trendsは、「営業マン」という別の顔を持つ。「利用者に貢献するという姿勢を続ければ、そのうち数%が顧客になる可能性もある」(斉藤社長)からだ。「売れる営業担当者は商品の話をしない。顧客にプラスとなる情報を届けて信頼関係を作る。何かあれば声を掛けてもらえるようになる」。斉藤社長はLooops Trendsに営業担当者という期待を込め、無償サービスから利益を出すフリーミアムモデルの1つと位置付ける。

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