Appleは公言していないが、「Mac OS X 10.6.4」ではバックドア型トロイの木馬「HellRTS」を新たに検出できるようになった。
セキュリティ企業の英Sophosは、Appleが6月15日にリリースしたMac OS Xの更新版で、新たなマルウェアを検出できるようになっていたことが判明したと伝えた。Appleが公表した情報では、マルウェア検出機能について触れていない。
Sophosによると「Mac OS X 10.6.4」ではマルウェア検出用の定義ファイルが更新され、バックドア型トロイの木馬「HellRTS」(別名Pinhead-B)を新たに検出できるようになった。Mac向けウイルス対策ソフトメーカーIntegoも、Mac OS Xのマルウェア定義ファイルではこれまで2種類のマルウェアに対応していたが、これにHellRTSが加わり3種類に増えたと伝えている。
このトロイの木馬は4月にiPhone用のアプリケーションを装って配布されていたもので、感染するとリモートからMacを制御され、個人情報などを盗まれたり行動を監視されたり、スパム送信に利用されたりする恐れがあるという。
Sophos研究者のグラハム・クルーリー氏は「AppleがMac OS Xのマルウェア対策を更新したのは結構なことだが、なぜそのことを公表しなかったのか。まるで同社はMac OS Xにもマルウェアの脅威が存在し得ることを認めたくないかのようだ」と批判している。
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