2015年までに情報・通信市場で起こること、野村総研が予測【雨天炎天】 ITmedia エンタープライズ時評

IT主要5市場は堅調に成長する――。野村総合研究所が2015年のIT市場を予測。ネットビジネス市場は2015年に18兆円市場へ。ハードウェア市場の拡大は中国などの新興国に期待。

» 2010年12月20日 17時00分 公開
[谷古宇浩司,ITmedia]

 野村総合研究所は12月20日、2015年までのIT主要5市場の規模予測を発表した。それぞれの市場は、年平均成長率にばらつきがあるものの、おおむねプラス成長の傾向にあると同社は予測する。5市場のハイライトを簡単にまとめる。

forecast IT市場規模予測(野村総研の資料を元に作成)、インターネット広告、薄型テレビ、デジタルカメラ、電子書籍の予測は「年度」ではなく「年」単位。電子書籍端末の予測は各年の「単年」市場ではなく、各年末時点の「累積」販売台数。CAGR(Compounded Annual Growth Rate)は年平均成長率

ブロードバンド回線が一段と普及

 2015年末にはブロードバンド回線は約3700万件加入、金額規模で約2兆1200億円になる。そのうち、光ファイバーが約2700万件、金額規模は約1兆6500億円。光ファイバーの普及率は全世帯の7割となる。

地上デジタル放送は約4650万世帯に普及

 地上デジタル放送の受信世帯数は2015年度末には約4650万世帯にまで普及する。特にケーブルテレビ経由が有力、2015年度末で約3100万世帯がケーブルテレビ経由で地上デジタル放送を受信する(受信世帯の6割)。有料ビデオオンデマンド市場は2015年度で約1200億円規模に拡大する。

ネットビジネス市場は2015年に18兆円市場へ

 ネットビジネス市場は、携帯電話向けビジネスが伸び、2015年度には18兆円の市場規模へ拡大する。2010年度比約1.5倍。ネットビジネスのうち、最も大きな割合を占めるのは一般消費者向け電子商取引。2015年には金額規模で12兆円に達する。インターネット広告は2015年で9300億円のビジネスに成長する。

スマートフォンの台頭が企業情報システムおよびコンテンツ市場を活性化する

 携帯電話の契約回線数は2015年度で約1億3400万回線となる。データ通信の利用が増加すれば、2015年度の収入は8.5兆円にまで拡大する。企業向けモバイルサービスは、スマートフォンやWi-Fi機能付き携帯電話の普及に伴って拡大、2015年度には8800億円の市場を形成する。

ハードウェア市場の拡大は中国などの新興国で

 先進国の成長率が鈍化し、新興国市場の重要性が年々高まる。薄型テレビの出荷台数は2015年で2億6900万台に達する。携帯電話端末は2015年度で16億1000万台を超える。いずれも中国などの新興国が主要市場としてますます存在感を高める。

【修正履歴】2010年12月24日 17時30分 表)薄型テレビの台数を170→174、171→183、259→269、8.8→9.1、本文)同じく薄型テレビの台数を2億6000万台→2億6900万台

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