サーバとデスクトップ仮想化時代の最適解:iSCSI市場を牽引するDellのストレージ戦略

エンタープライズシステムのソリューション分野で頭角を表してきたデルは、「EqualLogic」ブランドのストレージによって国内iSCSI市場をリードしている。近年はサーバやデスクトップの仮想化の普及により、ストレージに対するニーズが多様化しつつある。EqualLogic製品の最新動向をストレージソリューションマーケティング部エバンジェリストの河南敏氏に話を伺った。


 SCSIプロトコルをイーサネット上で利用する「iSCSI」が2003年に標準化されてから、丸8年が経過した。iSCSIは、コストパフォーマンスの高いIPネットワーク上でStorage Area Network(SAN)を構築できる技術として期待されたが、当初は製品の選択肢が少なく、性能面でもファイバチャネル(FC)に水をあけられていたために、市場規模の急速な拡大は見られなかった。しかし、ここ数年はiSCSIをサポートするストレージ製品の選択肢が増えるとともに、高速な10ギガビットイーサネット(GbE)が登場した。さらには仮想化技術の進展によって急速に普及しつつある。調査会社の米IDCによれば、2010年には国内で50億円を超える市場になる。

iSCSIストレージに注力する理由

 成長著しいiSCSI市場を牽引しているのが、デルのiSCSIストレージ製品「EqualLogic」である。2008年に米EqualLogicを買収した米Dellは、同年からiSCSIストレージ市場に本格参入し、瞬く間にiSCSIストレージにおけるトップベンダーに成長した。現在は四半期ごとに若干の変動があるものの、40%以上のシェアを獲得している。

 デルのエンタープライズ向けのストレージ製品には、1998年から販売している独自ブランドの「PowerVault」、2001年にEMCとの提携で誕生した「Dell|EMC」、さらに「EqualLogic」といったラインアップがある。その中で最も注力しているのがEqualLogicだという。

EqualLogic01.jpg デル ラージエンタープライズ ジャパンマーケティング本部 ストレージソリューションマーケティング部 エバンジェリスト 河南敏氏

 「市場が拡大しているストレージ分野は、当社が最もフォーカスするエリアです。iSCSIストレージは当社の一番の強みであり、これからも積極的に伸ばすというのが、ストレージに対するデルのモチベーションとなっています」(デル ストレージソリューションマーケティング部 エバンジェリストの河南敏氏)

 iSCSIストレージがここ数年で急速に市場規模を拡大した要因の1つに、仮想化技術の進展が挙げられる。サーバ仮想化が導入された環境では共有ストレージが必須になり、そのリソースを最適化するにはストレージ仮想化技術が有効だ。共有ストレージにはFCという選択肢もあるが、iSCSIはポートを固定することなくダイナミックに切り替えながらブロックレベルのストレージアクセスが可能であり、ストレージ仮想化に最も適したプロトコルである。

 「EqualLogicが受け入れられているのは、ストレージ仮想化を非常に容易に、かつフレキシブルに利用できるためです。デルの仮想化ストレージアーキテクチャは、自律的に働く自己最適化機能、ソフトウェアも含めてオールインワンで提供される機能性、投資を保護するシームレスな拡張性、自動化されたシンプルな管理性という4つの特徴があり、これらの特徴が顧客に支持されています。米国では、FCの製品からEqualLogic製品に切り替えたことにより、ストレージ管理に関する45日分の人的労働力を節約できたというレポートもあります」(河南氏)

EqualLogic02.jpg 仮想化環境にiSCSIが適している理由

業務プロセスに大きな効果

 こうした特徴を備えるEqualLogic製品は、単なる革新的な技術の枠にとどまらず、業務プロセスにも生かすことで、その導入意義がさらに高まると河南氏は話す。

 「EqualLogicを選択すれば、理想的な費用で製品を調達し、サービスレベルの高いシステムを組み上げることができます。そのシステムによってオペレーションを迅速化すれば、ユーザー企業は必要なときに即座に新商品を投入できるといったビジネスの俊敏性が高まります。EqualLogicは業務プロセスの最適化に大きな効果を発揮する製品だと考えています」(河南氏)

 既に多くのストレージベンダーがiSCSI製品の投入を開始しているが、iSCSI分野でトップシェアを維持し続けるEqualLogicには、大きな優位性があるという。その1つは前述したような、ストレージ仮想化に求められる各種機能を提供している点にある。もう1つは10GbEにいち早く対応した点だ。

 「ストレージの管理や性能を考慮して、Direct Attached Storageにしようか、それとも、FC SANにしようかと悩む企業が少なくありません。しかし高速な10GbEを利用できるiSCSIストレージを採用すれば、“もう悩む必要はありません”というのがデルのメッセージです」(河南氏)

 このほかにも、アクセス頻度の低いデータを安価なHDDに自動的に移動する階層型ストレージのテクノロジーにより、コストの大幅な削減や、ストレージを利用しながらオンラインでの拡張が可能な点も優位性になっているという。

 「iSCSIストレージの効果を検証するために、米国本社では実際に自社システムとして導入しています。VMware®の仮想化インフラによってサーバを統合し、データをEqualLogicに集約することで、調達コストやデータセンターのスペース、電力消費量を大幅に削減しました。コスト削減の効果は約5700万ドルにもなります」(河南氏)

「10GbE+SSD」の組み合わせ

 現在、EqualLogic製品のラインアップは小規模SAN向けのエントリーモデル「PS4000シリーズ」、GbEに対応した中規模SAN向けの「PS6000シリーズ」、そして、10GbE対応のデータセンター向けモデル「PS6010/6510シリーズ」の3つが用意されている。

EqualLogic03.jpg EqualLogic PSシリーズのラインアップ

 フラッグシップモデルのEqualLogic PS6500/6510は、4Uサイズの新筐体を採用しており、3Uサイズの従来モデルに比較して、3倍の拡張性と2倍以上の集積度を実現した。EqualLogic PS6000XVS/PS6010XVSは、記憶装置にSAS HDDとSSDを混在利用でき、レイテンシーをできる限り抑えた高速なアクセスを必要とするデータはSSDに格納し、そうではないデータをSAS HDDに格納するという階層型ストレージを実現できる。10GbEとSSDというストレージとしては最高性能の組み合わせが評価され、金融業界やインターネットサービスプロバイダーを中心に採用が広がっているという。

 デルはEqualLogic製品を通じて、こうした最新テクノロジーを結集したメリットを顧客に提供する一方で、顧客の投資保護も大いに重視している。デルがEqualLogicを買収する前に販売された製品であっても、単一のSANを構築できるのだ。

 さらに、EqualLogic製品にはソフトウェアのために追加投資が必要ないという特徴もある。コントローラを制御するファームウェアはもちろん、SAN管理ツールである「EqualLogic SAN HeadQuarters」、仮想化ソフトウェアをサポートする「EqualLogic Host Integration Tools for VMware/Windows」など、全てのソフトウェアがストレージ本体の機能として提供される。ソフトウェアのバージョンアップや機能強化の際にも追加費用が発生しない。

サーバやデスクトップ仮想化と親和性の高いファームウェア

 EqualLogic製品の要となるファームウェアの最新バージョン(v5.0)は、3つの特徴的な機能を備えている。まず注目されるのが、SSDとSAS HDDの自動階層化機能だ。この機能により、SSDとSAS HDDとの間で高度なロードバランスが行われ、デスクトップ仮想化のように複数のユーザーが同時に仮想デスクトップを起動するような“ブートストーム”でも非常に高いパフォーマンスを発揮するという。

 次に注目したいのが、元となるボリュームとスペースの共有が可能なクローンセットを用意できる「Thin Clones」機能である。少ないディスクスペースでもクローニングが行え、容量効率を大幅に高められる。また、VMware®のサーバ仮想化環境においては、「VMware vStorage API for Array Integration」(VAAI)に対応したハードウェア加速化機能がある。

EqualLogic04.jpg サーバ仮想化環境のパフォーマンスを最適化する

 この機能は、サーバ側のリソースを使うことなく、反復するゼロの書き込み(ゼロオフロード)、フルコピー、ファイルシステム全体ではなくブロック単位でのロッキングなどを可能にする。デルが検証したところ、プロビジョニング時間が最大72%短縮され、コピー時におけるSANのトラフィックを95%以上、CPUリソース使用量を75%以上も削減できたという。

 「ファームウェアをはじめとするソフトウェアに注力することで、仮想環境における管理プロセスをシンプルにすることが、顧客の課題解決につながると考えています」(河南氏)

 デルでは、VMware®だけでなく、Hyper-VTMを提供するMicrosoft®との協業も積極的に行っている。パートナー各社との強力な関係により、今後もiSCSIストレージ市場をリードしていくことがデルの目指す役割であるという。



提供:デル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エグゼクティブ編集部/掲載内容有効期限:2011年4月7日


Webキャスト

Dell EqualLogic iSCSIストレージが仮想化のパフォーマンスを向上させる!
国内外のiSCSI市場をリードするDell EqualLogic は、VMwareやHyper-Vとの密接な連携により仮想化とデータの応答性を強化する機能を多数提供します。Dell EqualLogicの拡張性、自己最適化、機能性、管理性といった特長を活かし仮想化にまつわる課題の解決方法をご紹介します。