デル、データセンターの高密度化に対応するサーバ/ストレージ製品群を発表

デルはサーバ/ストレージ製品のラインアップを拡充。仮想化環境を踏まえた高集積化に対応するとともに、GPGPUなど新たなニーズにも踏み込んだ。

» 2010年07月08日 20時38分 公開
[石森将文,ITmedia]

 デルは7月8日、サーバとストレージの新製品を発表した。従来からのラインアップを補完する製品発表であり、標準技術を基盤にすることで、顧客に選択の自由を提供しつつ、データセンターの構築/運営に要する時間とコストの削減を図るという。

 追加されたサーバは3モデル。「Dell PowerEdge M710HD」は既存のフルハイトモデルと同等の性能を、ハーフハイトサイズに収めたブレードサーバ。2ソケット分のインテルXeonプロセッサ 5600番台を搭載しており、高い集積度と処理能力を有するという(型番のHDは、High Densityの略)。その特性上、仮想化環境での利用に向くため、ハイパーバイザーを組み込むためのSDカードモジュールを備える。このモジュールはデュアル化されており、冗長性に優れる。ドライブには、ホットスワップに対応したSASドライブ、あるいはSSDを選択できる。

 また「Dell PowerEdge M610x」は、PCIe Gen2スロットを2本備えることで、従来ブレードサーバでは実現が難しかった用途に踏み込む、意欲的なモデル。具体的には、NVIDIAのTesla GPU(Fermiアーキテクチャ)およびFusion-IOのフラッシュメモリを用いた高速ストレージを(PCIeスロットに)組み込むことで、HPC分野やハイトランザクションなデータベース処理に向くという。これらはデルにOEM提供されるため、工場でサーバに組み込んだ上で出荷される。もちろん保守やサポートはデル(あるいは販社)が一括で請け負う形になる。

 3つめのモデルは、ラックマウントサーバとして新しくラインアップした「Dell PowerEdge R715」。サイズは2Uで、プロセッサにはAMDのOpteron 6100シリーズを採用する。Opteronプロセッサの特性上、物理コア数が多い(本モデルは最大24コア)ため、仮想化環境構築時の価格性能比に優れる。小規模な仮想化によるワークロードの統合や、アプリケーションサーバ、中規模までのデータベースといった用途が想定される。

左からFusion-IOドライブ、M710HD、R715(すべてクリックで拡大)

 なおブレードサーバ用のシャーシ(M1000e)については、ファンおよびパワーサプライが改良された。デルの発表によると、ファンについては現行の30%省電力化し、また冷却効率は15%改善したという。電源ユニットは、AC-DC変換効率を最大94%とした。これは「Energy Star Platinum Plusに認定された初めてのケース」(デル)となる。中でも日本のユーザーが注目すると思われるのは、今回初めて、100ボルト電源に対応したことだろう。一般的に、100ボルト電源を利用する場合は搭載するサーバ数に制限がある(シャーシをフルに埋められない)ことが多いが、M1000eの新電源ユニットを「5+1」で構成すれば、制限なく利用できる。

 ストレージの新モデルは2つ。“EqualLogic”ブランドで展開される「PS6000XVS」と「PS6010XVS」となる。どちらもSASドライブとSSDを筐体内に備えており、単一筐体内でストレージを階層化できる。また今回、EqualLogicのファームウェアがバージョンアップ(v5.0)した。効果としてはVMware環境において、データコピーに伴うSAN上のトラフィックが95%以上削減され、またプロビジョニング時間が最大72%短縮できるという。

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