Special
» 2013年08月26日 10時00分 UPDATE

ビッグデータ利活用に踏み込むための第一歩 日立と博報堂のタッグがIT部門をサポート

ビッグデータに興味はあるが、何をしたらいいのか分からない――。こうしたことから、具体的なアクションに躊躇している企業も少なくない。企業が抱えるこうした課題の解消を目的の1つに発足したのが「マーケット・インテリジェンス・ラボ」である。日立と博報堂のタッグによって生まれたこの組織は、企業のIT部門をどうサポートしていくつもりなのか。ビッグデータのIT部門の不安やその対処法などについて、両社のキーマンが語った。

[PR/ITmedia]
PR

企業のビッグデータ利活用を阻む課題とは

株式会社日立製作所 スマート情報システム統括本部<br>副統括本部長の安田誠氏 株式会社日立製作所 スマート情報システム統括本部
副統括本部長の安田誠氏

安田 ようやく勉強フェーズから、実用化フェーズへと軸足を移しつつある「ビッグデータ」ですが、具体的なアクションとなると、まだまだ二の足を踏む企業も多いようです。それは「ビッグデータに期待はあるが、何から手をつけたらいいのか分からない」という気持ちの表れですし、それ自体は至極もっともなことだと思います。ただし、ビッグデータは早く取り組むほど、自社にノウハウがたまり、競争優位性を確立できるという側面を持ちます。それだけに、どのような課題があるのかを把握した上で、やはり早期に取り組むことが必要ではないでしょうか。

山之口 私もさまざまな企業のご担当者とお話ししますが、一番よくお聞きするのが「そもそもデータを自社のビジネスにどのように活用すべきか分からない」というステージで止まってしまうパターンです。実際、野村総合研究所が2012年に「ビッグデータの利活用に関するアンケート調査」を実施したところ、「ビジネスとして具体的に何に活用するかが明確でない」と61%の企業が回答しています。これはHadoop(TM)を中心とする、テクニカルな側面ばかりが話題となりがちな傾向とも一致します。

安田 効果的なビッグデータ利活用を実現するためには、やはりビジネスにおけるゴールを明確にすることが必要です。まず自社の目標達成に向けたグランドデザインを描き、その上でどんなITや業務の仕組みが必要なのかを考えることが重要です。とはいえ、これまでと違う取り組みであるため、それを一からやるのは難しいということなのでしょう。

山之口 次に、情報に関する仕組みについて悩んでいる企業も少なくありません。例えば、「有用な情報が社内のさまざまな場所に散在している」「取り出すのに高度なスキルが必要」「組織の壁を越えて情報を共有する仕組み自体が存在しない」といった具合です。これではとても成果を挙げることは望めません。

安田 確かに顧客情報は営業部門、キャンペーン情報はマーケティング部門といった形で、データまで「縦割り」になってしまっている状況も見受けられます。ビッグデータ利活用では膨大な情報を網羅的に分析・活用しますから、全社的なデータの共有は不可欠です。

株式会社博報堂 エンゲージメントプロデュース局<br>マーケティングプラットフォームソリューション部<br>部長/エグゼクティブコンサルタントの山之口援氏 株式会社博報堂 エンゲージメントプロデュース局
マーケティングプラットフォームソリューション部
部長/エグゼクティブコンサルタントの山之口援氏

山之口 そしてもう1つ挙げておきたいのが、組織間のコミュニケーションでうまくいかなくなるケースです。ビッグデータ利活用は、今後のビジネスに向けた新たなプロセスを作り上げる取り組みでもあります。仕組みを作るIT部門と分析・施策立案を行うマーケティング部門、それに営業などのユーザー部門が、それぞれの論理で対立していたのではうまくいきません。IT部門の立場から言えば「何を優先したいのか分からない」「そもそもの条件が未確定」「勝手にユーザー部門が進めたプロジェクトの後始末をさせられることが多い」といった声を聞きます。

 これを上手く取りまとめるには、各部門がきめ細かいコミュニケーションを行い、お互いに認め合う文化が必要です。特にIT部門側が現場の“エース”を巻き込んでデータを活用し、誰もが認める成果を出せれば、プロジェクトが加速度的に推進していくきっかけになるでしょう。

日立×博報堂のコラボから生まれた「マーケット・インテリジェンス・ラボ」

安田 こうしたさまざまな課題を克服するとともに、ビッグデータのグランドデザインやイノベーションの実現をご支援するため、2013年4月に立ち上げたのが、日立×博報堂のコラボレーションによる「マーケット・インテリジェンス・ラボ」(以下、MIL)です。「マーケット・インテリジェンス」とはあまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、我々はこれを「『モノ』『ヒト』『コト』からの幅広いデータを収集・解析し、『生活者』の潜在的なニーズと『企業』における新たな事業機会を掘り起こす活動」と定義付けています。マーケティングとITの融合により、企業活動全体にイノベーションを起こそうというのがMILの狙いです。

 また、両社が相互に補完関係にあるという意味でも、大きなインパクトを持ちます。日立の強みは、社会インフラ構築やITソリューションなどの領域であって、一般の生活者の方々を含めたお客さまとのリレーションという部分では、十分なノウハウがあるわけではありません。その点において、マーケティング領域のエキスパートである博報堂と組めるのは非常に心強い。

山之口 博報堂でも、我々の強みであるマーケティングコンサルティング力を今後も発揮するためには、先進ITとアナリティクス技術との連携が不可欠ですので、日立との協業には大きな期待があります。もちろん日立と博報堂では、企業としての成り立ちや文化が全く異なりますから、MILを作ったからといって一気に融合できるわけではありません。しかしユーザー部門代表の博報堂とIT部門代表である日立が、意見をぶつけ合ったり、意識合わせをしておくことでお客さまが壁を越える際の先駆けとなることができる。そうした意味でも、両社の協業には重要な意義があると思っています。

両社のノウハウの融合による具体的なイノベーション

安田 MILでは、すでにビッグデータ活用に取り組むIT部門をサポートすべく、さまざまなソリューションも展開しています。その1つが「営業ナレッジマネジメント」です。

山之口 営業を「売り込み」ではなく「価値協創」の活動ととらえ、お客さまのニーズをしっかりと予測・理解した上で、適切かつ迅速に対応できる仕組みを作ろうというのがこのソリューションの狙いです。営業担当者のさまざまな活動フェーズで必要な情報をタイムリーに提供することで、商談機会創出や商談成約率向上を目指します。

 現在の営業活動に求められるのは、お客さま一人一人に最適化されたアプローチを実践すること。ただし、それを実践するためには、データ分析を通して「お客さまを知ること」が必要不可欠となります。一人一人のニーズや課題を把握できなければ、最適な打ち手を考えることもできないからです。そこで、MILでは、「業種別課題情報」「顧客別コンタクト情報」「自社製品情報」「市場動向・競合情報」に至るまで、企業の内外に存在する顧客関連のデータを統合し、「お客さまが何を求めているのか」についての分析をサポート。その結果得られた情報を、適切なタイミングで担当者に提供できれば、営業活動の質そのものが大きく変わるはずです。

安田 さらにそのほかにも、「ソーシャル・インテリジェンス」「VOC*マネジメント」「マーケティングROI」「人的サービス向上」など、幅広い分野のソリューションを提供、または開発中です。

 例えば、ソーシャル・インテリジェンスについては、現在広く行われているソーシャル・リスニングをさらに一歩進めて、ソーシャルから得られる情報を将来の収益予測にも活用しようという取り組みを行っています。具体的にはアクティブ・リスニング、CRM連携、ソーシャルデータとPOSデータの組み合わせ分析などの手法を活用し、ある製品の未来における売り上げを一定の確率で予想します。ここではネットを利用するユーザーの相関関係とそれぞれの嗜好を分析し、対象者がまだ未体験の商品、あるいは将来流行りそうな商品のレコメンデーションにつなげる「未来志向型レコメンデーション」などの新しい手法にもトライしています。

図1 未来指向型レコメンデーション。ソーシャル・インテリジェンスで用いられる手法の1つである「未来指向型レコメンデーション」。対象者の嗜好を拡散することで、類似ユーザーがまだ未体験の商品、あるいは将来流行りそうな商品の推薦につなげる 図1 未来指向型レコメンデーション。ソーシャル・インテリジェンスで用いられる手法の1つである「未来指向型レコメンデーション」。対象者の嗜好を拡散することで、類似ユーザーがまだ未体験の商品、あるいは将来流行りそうな商品の推薦につなげる

山之口 VOCマネジメントでは、さまざまな顧客視点で蓄積された顧客の情報を自部門、他部門での再利用を促進するための仕組みを整備しています。また、マーケティングROIではビジネスダイナミクス技法の活用で費用対効果の高いマーケティング施策のシミュレーションを、人的サービス向上では人流解析技術を生かすことでユーザーの離脱防止・顧客単価向上をそれぞれ目指しています。

図2 MILが提供するソリューション。MILでは、マーケティングとIT・アナリティクスのノウハウを組み合わせることで、さまざまな営業・マーケティング分野のソリューションを提供・開発している 図2 MILが提供するソリューション。MILでは、マーケティングとIT・アナリティクスのノウハウを組み合わせることで、さまざまな営業・マーケティング分野のソリューションを提供・開発している

課題の克服に向けてIT部門を全面サポート

安田 こうした活動を下支えしているのが、MILの活動に先立ち2012年6月に日立が提供を開始した「データ・アナリティクス・マイスターサービス」です。ここではビッグデータ利活用に精通した専門家集団「データ・アナリティクス・マイスター」が、お客さまの業務や課題、目標を理解した上で、ビジョン構築から活用シナリオ策定、実用化検証、システム導入までの一連のプロセスをしっかりとサポートしています。

 具体的には、お客さまの業務を理解し、そもそもどのような観点でビッグデータを利用したいのか、その目的・課題・目標をお客さまとともに発見すべく活動しています。また、単に技術・製品、サービスを提供するだけでなく、データ利活用の費用対効果まで考えてお客さまに提案をし、もし、期待するほど大きな成果が見込めず投資を回収できない場合は、それすらもお客さまにお知らせします。ビッグデータの利活用が投資に見合わないプロジェクトにならないようにするには、こうしたサポートも重要だと考えているからです。

 また、実施フェーズにおいて、必要であれば、ユーザー部門とIT部門の“コミュニケーションハブ”としての機能も担います。

図3 データ・アナリティクス・マイスターの役割。データ・アナリティクス・マイスターは、ビッグデータから新たなビジネスを創出するためのプロデューサー役として、ビッグデータ利活用プロジェクトをトータルに支援する 図3 データ・アナリティクス・マイスターの役割。データ・アナリティクス・マイスターは、ビッグデータから新たなビジネスを創出するためのプロデューサー役として、ビッグデータ利活用プロジェクトをトータルに支援する

ビッグデータ時代に向けた新たな価値創生を支援

山之口 博報堂では長年にわたり、人を多用な面を併せ持つ「生活者」としてとらえ、その価値観や要求の変化を読み解きつつ次のビジネスを発想する活動を続けてきました。MILにおける取り組みも、まさにその延長線上にあります。両社の強みであるマーケティングとデータアナリティクス技術に洞察力を組み合わせ、お客さまの競争優位を創出するお手伝いをしていきたいと思います。

安田 日立としても全く同じです。ビッグデータ時代には、一人一人のお客さまを「個」としてとらえられるようになります。統計数値の1%は誤差の範囲かもしれませんが、ビッグデータにおける1%はそのまま1%のお客さまの存在を示しています。ここに向けて適切な施策を展開できれば、さらなる収益向上も期待できます。MILを通して、お客さまのビジネス価値創出を、さらには新たな価値創生を支えていきたいですね。

mil081902.jpg

MILの詳細についてはこちらへ。


 ※本記事は、日立製作所より提供された記事を許諾を得て再構成したものです。

 Hadoopは、Apacheソフトウェア財団の米国及びその他の国における登録商標です。

 *Voice of Customer



Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


提供:株式会社日立製作所
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2013年9月25日