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» 2014年08月01日 08時00分 UPDATE

萩原栄幸の情報セキュリティ相談室:「Officeファイルが開けません」 XP以上に残念な金融機関の言い訳 (1/2)

前回はサポートが終了したWindows XPを使い続けようとする金融機関の実態を紹介したが、今回はそれ以上に残念なOfficeの利用実態を紹介したい。

[萩原栄幸,ITmedia]

 昨年、近畿地方のある中小金融機関で一時的に作業をした。主に定款や約款、就業規則などを基に作成された誓約書(弁護士のリーガルチェック済み)について、セキュリティの観点で検査などをしてほしいという依頼であった。その作業報告書をメールで送付すると、先方からこういう電話をいただいた。

 「萩原さん、これの形式では読めません」

 こうした指摘は時折ある。「分かりました。それでは拡張子を『doc』にして再送します」と答えて、ファイル形式をdocxからdocにして再送した。ところが、さらなる電話で担当者は驚くことを言われたのである。

 「すみません、読めません。うちはOffice 97なので、その影響かもしれません。PDFにしてくれれば読めますので、それでお願いします」

 それを聞いた瞬間、筆者の思考が一時停止した。一応は互換性があるというOffice 2013で作成した文書でもOffice 97では読めないこともあるのだろう……。そう気を取り直してPDFを作成し、改めて再送した。先方はようやく確認できたようだった。

 ただ、こう伝えざるを得なかった。「言いづらいのですが、Office 97は確か2002年にサポートが切れていますよね。それから10年も経過していますよね……」

 担当者はこう答えた。「うちにはお金がなくて、そういう余計な事には使えないとシステム担当者が言うのです。それに、本当かどうか知りませんが、Office 97はよそでも使っているらしいのです。システム担当者は、『Office 95を使っている金融機関もあるらしいから、心配するな』と言っています」

 ここまで読まれた方は、これを架空の話のように思われるかもしれない。筆者も夢であってほしいが、本当の話である。いまだOffice 95を使っているという金融機関は把握していないが、少なくとも今でもOffice 97を使っているところは存在する。守秘義務があるので個別の金融機関名は明かせない。恐らくこの記事を読まれた一部のシステム担当者が冷や汗をかいているのは間違いない。

 金融以外を含めるなら、サポート切れのOfficeを継続利用している企業の割合はもっと多いだろう。筆者はこういう金融機関を糾弾するつもりは全くない。せめて、こういう実態を取り上げることで行動を改めていただきたいと考えている。

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