「サポートしていますか?」──ITインフラ業界でも当たり前のように飛び交いがちなフレーズですが、この質問の仕方は、実はトラブルの元。リスクがあることをご存じでしょうか。
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第1回でご紹介したとおり、私は普段プリセールスの仕事をしています。お客様やパートナー様を訪問し、検討されているシステムについてアドバイスしたり、提案させていただくのですが、そこでたまに耳にするのが、次の言葉です。
「それって、サポートされていますか?」
特に何もおかしくはない、ITインフラ業界で当たり前のように飛び交うフレーズのように思えます。しかし、この質問の仕方は実はトラブルの元であり、リスクがあることをご存じでしょうか。
このシーンでの「サポートされていますか?」は、おそらく次の意味でしょう。
「それって、実証済みですよね?」
「それって、保守対象ですよね?」
「それって、保証してくれますよね。何かあってもハシゴを外したりしませんよね?」
日本人の性格上、明確に口にはしませんが、これは“オウンリスク”かどうか。つまり「何かあったら助けてくれますよね?」ということを意図しているはずです。
“サポート”という単語の由来は、言うまでもなく英語のsupportですが、欧米人に「Is it supported?」と尋ねてみると、彼らは少し違った意味に捉えます。サポートしていますか? ではなく、「対応しているかどうか」という意味に捉えるそうです。
この違い、分かりますでしょうか。欧米のエンジニアにおけるsupportedは、実証や認定が済んでいるかどうかは関係なく、単に対応しているかどうか、もっと言えば「機能があるかどうか」「動くかどうか」を意味します。日本人のイメージする責任や保証(guarantee)は意識していません。
反対語も同じです。日本で「ノンサポート(ノンサポ)」と言うと、メーカーは責任を取らない“オウンリスク”を意味しますが、欧米での「non-supported」は“非対応”の意味になります。
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