世界を襲ったマルウェア攻撃、ウクライナ警察が容疑者逮捕

逮捕された51歳の男は、6月下旬の大規模サイバー攻撃に使われたマルウェアの拡散に関与したとされる。

» 2017年08月14日 10時00分 公開
[鈴木聖子ITmedia]

 6月下旬に世界を襲った大規模サイバー攻撃に関連して、ウクライナの警察は51歳の男をマルウェアの拡散にかかわった疑いで逮捕したと発表した。

ウクライナの警察が51歳の男をマルウェアの拡散にかかわった疑いで逮捕 ウクライナの警察が51歳の男をマルウェアの拡散にかかわった疑いで逮捕

 この事件では、6月27日にランサムウェア(身代金要求型マルウェア)「Petya」の新しい亜種(NotPetya、ExPetr、Petrwrap、GoldenEyeなどの名称で呼ばれている)の感染が世界65カ国あまりに拡大。特にウクライナは重要インフラが相次いでダウンするなど大きな被害に見舞われた。

 threatpostなどの報道によると、ウクライナのサイバー警察は同国南部ニーコポリで51歳の男を逮捕し、自宅を捜索した。男はマルウェアの使い方を解説したビデオをファイル交換サービスにアップロードして、個人のブログやソーシャルメディアでリンクを共有。このビデオのリンクをたどって約400人がマルウェアに感染したとされる。

threatpostが報道 threatpostによると、ウクライナのサイバー警察は同国南部ニーコポリで51歳の男を逮捕し、自宅を捜索した

 警察の発表資料には、男の自宅と思われる場所で撮影されたPCやディスクなどの写真が掲載されている。ただしこの男は、マルウェアの作成に関連した罪には問われていない。

 6月の攻撃に使われたマルウェアは、米国家安全保障局(NSA)から流出したとされるハッキングツール「EternalBlue」「EternalRomance」を利用。身代金を要求するランサムウェアに見せかけて、ディスクの内容を消去する破壊的なマルウェアだったと伝えられている。

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