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» 2018年12月03日 10時00分 公開

俺情出張企画「俺たちのGaroon 2018」レポート:ITmediaが全ての情シスに問う――ぶっちゃけ「働き方改革」って楽しいっすか?

ITmedia エンタープライズの情シス交流会「俺たちの情シス」とサイボウズ「Garoon」のコラボが今年も実現。今回のテーマはズバリ、ぶっちゃけ「働き方改革」って楽しいっすか? イベントでは、働き方改革を進めるコツや苦悩が浮かび上がってきました。

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 2018年11月7日、8日の2日間にわたって、幕張メッセで開催されたサイボウズ主催のイベント「Cybozu Days 2018」。

 同社の製品やサービス、それらを活用したソリューションや導入事例などが数多く紹介されるイベントですが、今年もITmedia エンタープライズの情シス交流会「俺たちの情シス」とサイボウズのグループウェア「Garoon」とのコラボ企画、「俺たちのGaroon」が実現。1日目にそのセッションが行われました。

 Garoonとのコラボもこれで3回目。今回はサイボウズの情シスである渡辺拓氏を迎え、「俺たちのGaroon」でおなじみのGaroon ビジネスプロダクトマネージャーの池田陽介氏、ITmedia エンタープライズ編集部の池田憲弘の3人でトークショーの司会を務めました。

photophotophoto 司会はITmedia エンタープライズ編集部 池田憲弘(左)、サイボウズ 運用本部 情報システム部 渡辺拓氏(中央)、サイボウズ Garoonビジネスプロダクト マネジャー 池田陽介氏(右)の3人で務めました

 今回のテーマは「ぶっちゃけ『働き方改革』って楽しいっすか?」。昨今、さまざまな文脈で注目されている働き方改革ですが、それを実現する情シスが過酷な労働を強いられることに……いや、そんなことにならないためにも、楽しく改革を進めたいですよね(きっと)!!

 そのヒントを探るべく、まずはサイボウズ社内で行われている、働き方改革の取り組みが紹介されました。

バックオフィスと情シスが手を組んだ! サイボウズの働き方改革

photo サイボウズ 人事部の浅賀佑子氏

 サイボウズでは2017年に、総務や人事、法務といったバックオフィス業務のシステム化を推進するプロジェクト、その名も「MYSP(めんどくさいことをやめてシステムに任せるプロジェクト)」がスタートしました。ゲストスピーカーとして登壇した人事部の浅賀佑子氏によれば、以前は効率の悪い作業があちこちで行われていたといいます。

 「私が担当している人事労務の仕事も、Excel業務が一部で残っていて、自社ツールを利用しての効率化もできていない状況でした。『こうした状況は変えないといけない』とみんな漠然とは思ってはいたのですが、現場から業務の効率化について意見を集めようと思っても、現場の担当者はこうした仕事のやり方に慣れきってしまっていて、なかなか声が上がってきませんでした」

 働き方改革の先進事例として挙がることも多いサイボウズ。意外なことに、まだまだ現場では、非効率なExcelが存在していたようです。当初は、総務や人事、法務など各部門の代表者が集まってプロジェクトを進めてきましたが、途中から情シスの渡辺氏が加わったことで変化が表れ始めたといいます。

 「私はプロジェクトの途中から加わったのですが、当時は既存作業をそのままシステム化することに主眼が置かれていました。しかし、私のような外部の人間からは、その作業に無駄が多くあるように見えたのです。そのため、システム化の前に作業や業務プロセスそのものの見直しを提案しました」(渡辺氏)

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 浅賀氏によれば、情シスによるこうした提案は「正直、かなり意外だった」とのこと。場合によっては、「自分たちが日々、一生懸命行っている作業を否定しているのでは」とも受け止められかねない提案ですが、逆に現場の人間からは、自分たちの業務を客観的に捉えた意見はなかなか出ないため、「とてもありがたかった」と浅賀氏は言います。

 「私たち業務担当者は、システムの言葉を話せないため、情シスに要件をなかなか正確に伝えられないこともあります。そういう場合は、現場の作業を情シスに直接見てもらうのが、一番手っ取り早いと判断しました」

 事実、渡辺氏は各部門の業務現場に出向き、普段の仕事ぶりを実地でつぶさに観察して課題を拾い上げていったといいます。こうした取り組みが実を結び、さまざまな部門から業務効率向上に向けたシステム化の依頼が殺到したそうです。

「Garoon」を使った業務改善を通じて学んだ、情シスがいらない世界

 渡辺氏は、このプロジェクトを通じて多くの学びを得たと言います。当初は、既存業務に対する問題意識が希薄だった業務部門と、「良いツールさえ入れれば問題は解決する」と思い込んでいた情シスとの間ですれ違いも生じていたそう。

 そこから互いに歩み寄り、認識を改めていくことで、最終的には業務部門側も改革の可能性や価値を信じるようになり、そして情シス側も「現場をよく知り、ツールを活用してくれるところまで支援しなくてはダメだ」と意識を変えることができました。

 「このプロジェクトを通じて、働き方改革とは、結局のところ、個人の意識改革の集積に他ならないと確信しました。そこで情シスが果たすべき役割も、単にツールを現場に押し付けるのではなく、現場の意識改革を促すために、ツールの活用までをしっかりサポートすることが大事だと思います」(渡辺氏)

photo 働き方改革は、個人の意識改革だと渡辺氏は主張します

 同氏はそうした取り組みの一例として、サイボウズ社内で行っている、Garoonの活用を促す活動の一部を紹介しました。同社は2015年に本社オフィスを移転しましたが、移転直後は会議室の場所が分からず、社員の間に混乱が生じていました。そこで渡辺氏は、Garoonのポータル画面に会議の場所を大きく表示する機能を独自に開発しました。すると社内から「この機能は便利だね!」「じゃあ、こんなこともできないの?」とさまざまな声が寄せられるようになったといいます。

photo 渡辺氏が開発した、会議の場所を大きく表示する機能
photo マウスカーソルを乗せると、会議室の場所も分かるようにしたという

 「ツールを広く活用してもらうには、皆が共通に抱えている課題に乗るのも1つのコツだと思います。また、どんなに小さな改善でも、その価値が現場にきちんと伝われば、十分効果を発揮できることができることを実感しました」(渡辺氏)

 もう1つ、Garoonを使った業務改善の例として、同氏はGaroonとkintoneの機能を連携させた「kintodoon」という仕組みを紹介しました。これは、kintoneに登録したtodoタスクをGaroon上にも自動的に表示させるというもので、特に法務部門や経理部門における締め切り管理などで重宝されているそう。

photo Garoonとkintoneの機能を連携させた「kintodoon」

 この仕組みをリリースしてしばらくたったころ、開発した渡辺氏自身も思い付かなかったような斬新な活用法を、現場のユーザーが自ら発案して活用するようになったといいます。

 「こうして現場が自らツールを活用して、業務を自発的に改善できるようにしていければ――と考えています。その場合、情シスは業務改善の実行主体というよりは、現場が行う業務改善を側面から支援するような役目を担うようになるでしょう。その行き着く先は、もはや情シスが不要な世界なのかもしれません」(渡辺氏)

クラウド版Garoonの導入で、エムオーテックスが実現した働き方改革

photo エムオーテックス 営業推進部の板垣慎介氏

 グループウェアで働き方改革を進めているのはサイボウズだけではありません。渡辺氏に続いて、エムオーテックス 営業推進部の板垣慎介氏が登壇し、同社がGaroonを使って業務改善を実現した事例を紹介しました。

 板垣氏は2014年から2017年にかけて情報システム部に所属しており、その間に社内の情報基盤の整備と、それを活用した新たな働き方を実現する「3カ年計画」を推進してきました。その中でも重要な取り組みの1つが、社内のグループウェア基盤をGaroonにリプレースするプロジェクトでした。

 同社は2012年に京セラグループの一員となったことで、グループが定める稟議規程に沿ったワークフローを新たに導入する必要に迫られました。また、それまで使い続けてきたオンプレミスのグループウェア製品に、プロジェクトメンバーを効率的にアサインするためのスケジュール機能が不足していたり、社外からのアクセス時にパフォーマンスが極端に低下したりと、さまざまな課題を抱えていました。

photo 働き方改革のきっかけは、京セラグループの一員となったことでした

 そこで2014年から2015年にかけ、オンプレミスのグループウェアからクラウド版のGaroonに刷新するプロジェクトを実施。その結果、使い勝手のいいワークフローとスケジュール機能を実現するとともに、Garoonをモバイル端末やチャットツールと連携させることで、よりスマートな働き方が可能になったといいます。

 ちなみに、Garoonのクラウド版とオンプレミス版のコストを比較した場合、5年間でクラウド版の方が3倍近く高くなる計算でしたが、それでもあえてクラウド版を選んだ理由について、板垣氏は次のように説明します。

 「バックアップやBCP対策といった作業から解放されることで、運用コストの大幅削減が見込めましたし、社外から利用する場合のパフォーマンス向上も期待できました。そして何より、弊社の経営陣や開発部門の役員がクラウド化の推進に理解を示してくれたことが大きかったですね」

 板垣氏の講演の後は、同氏とともに情報システム部門のメンバーとしてGaroonの導入プロジェクトに携わった、同社 経営企画部 セキュリティ推進室 小原彩氏を交えてディスカッション。小原氏によれば、グループウェアをクラウド化したことで、情報システム部門の働き方も大きく改善されたといいます。

 「オンプレミスのシステムを運用していた頃は、物理サーバの管理のために休日出勤せざるを得なかったり、帰宅後に会社から呼び出しがあり、戻って作業をしたりすることもありました。クラウド化により、そうした作業から解放されたとともに、空いた時間を使ってシステムの企画や設計など、本来力を入れるべき仕事により集中できるようになりました」

photo 講演の後は、経営企画部 セキュリティ推進室の小原彩氏(右)を交えてディスカッションを行いました

ぶっちゃけ「働き方改革」って楽しいわけがない。でも……。

 今回のイベントでは、会場の皆さまからもアンケートを通じて、働き方改革に対するさまざまな声が上がってきました。

 「テレワークを推奨する動きもあるが、本当にユーザーが望んでいるのかが分からない」「自分自身、子どもを持つ母だが、働き方改革を進めようとしても“製造業だから難しい”という言い訳ばかりで聞き飽きた」など、集まった意見からは、情シスも業務部門も働き方改革に悩んでいる姿が浮かび上がってくるようです。

 さて、今回のテーマでもある「働き方改革は楽しいか」。ITmediaの池田はストレートに、エムオーテックスの板垣氏へその疑問を投げかけました。

 「プロジェクトを進めている最中は、正直楽しくはないですね。はっきり言って忙しいですし。でもその結果、みんなが生き生きと働いている姿が見られると達成感もありますし、そこで初めて楽しさが生まれるように思います」

 サイボウズの池田氏もこれには納得しつつ、「『働き方改革』というと、大業なものを想像しがちですが、同僚が業務で困っていることをITの力で解決してあげる。それだけでも、働き方改革につながるのだと感じました」とコメント。

 イベントの最後には、ITmediaの池田がついに「ぶっちゃけ『働き方改革』って楽しいわけがないんですよね」と本音を暴露。しかし、同僚の困りごとを助ける――それにやりがいや楽しさを見いだす人が増えれば、そんな状況も変わるかもしれないとまとめました。

 「最近、サイボウズと協力して連載記事を作っていますが、『業務改善が趣味』という変わった人が意外と多いんです。しかし、ITが業務部門を含めて多くの人に使われるようになり、情シスと総務などの業務部門の協力が進めば、そんな人ももっと増えてくるのかもしれません。渡辺さんや板垣さんなど、今は少数派かもしれませんが、そんな人が“普通”になれば、その時には『働き方改革って、楽しいところもあるよね』と変わるのではないでしょうか」

photo 「俺たちのGaroon」はこれで3回目ですが、今回はこれまでで最も多くの観客が集まりました。来年もまたお会いしましょう!

 さまざまなゲストが登場し、いろいろ示唆に富んだ話が飛び出した「俺たちのGaroon 2018」。今回も110分という長丁場でしたが、盛況のうちに終了しました。記事では取り上げられなかった皆さんの意見や、Garoonの今後については、後編の記事で紹介する予定です。そちらの記事もお楽しみに! そして皆さん、次はぜひ「俺たちの情シス」でお会いしましょう!

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提供:サイボウズ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2018年12月27日