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» 2006年04月15日 00時00分 UPDATE

情報システム用語事典:ASP(えいえすぴー)

application service provider / エーエスピー / アプリケーション・サービスプロバイダ

[@IT情報マネジメント編集部,@IT]

 業務アプリケーション・ソフトウェアをはじめとする各種システム機能をネットワーク経由で提供する事業者、ないしサービスのこと。また、そのようなソフトウェア提供形態(デリバリモデル)、あるいはそのようなソフトウェア・サービス提供に対価を求める事業形態(ビジネスモデル)を指す場合もある。

 利用者(ユーザー企業)にとってはハードウェアやソフトウェアなどのコンピュータ資源を導入・所有しないため、初期投資なしにアプリケーションの利用を開始できる。情報システムコストが固定費から変動費になり、アプリケーション利用の中止やサービス購入先の変更も容易となる点もメリットといえる。

 ASPという言葉が登場するのは1998年ごろだが、コンピュータの分散・遠隔使用は古くから存在した。メインフレームにおけるTSSをベース技術にしたユーティリティ・コンピュータVANなどの流れがあり、日本においても1970年代には科学技術計算や販売在庫管理などのレンタルサービスが登場、会計・税務計算処理を企業(ないしそれを受託した会計事務所・税務事務所)向けに提供する計算センター事業者が数多く登場した。

 しかし、次第に自社にコンピュータ(日本では当初、オフィス・コンピュータが多かった)を導入する企業が増え、1990年代に入るとクライアント/サーバ方式で社内にシステムを構築する方法が一般的となった。

 その後米国では1990年代半ばになると、業務の標準化・パッケージソフトの普及・インターネットの環境整備などの流れを受けて、再びネット経由でサービス事業者や特定企業のアプリケーションを預かって運用するホスティング事業者が登場してきた。1998年ごろからこうした事業者をASPと呼ぶようになり、1999年5月には米国に業界団体ASP Industry Consortiumが設立されている。

 このようにASPはもともとは「事業者」を指していたが、今日ではむしろサービスそのもの、あるいはビジネスモデルの意味で使われる例が多くなっている。ASPインダストリアルコンソーシアム・ジャパンによるASP白書(2005年)では「特定及び不特定ユーザーが必要とするシステム機能を、ネットワークを通じて提供するサービス、あるいは、そうしたサービスを提供するビジネスモデル」としている。

 ごく初期のASPは、標準的な業務アプリケーションをノンカスタマイズで提供するものが一般的で、料金モデルもユーザー数や利用回数などによる従量課金が多かった。その後、カスタマイズできることを売りものにする事業者が出てきたが、この時代のASPはシングルテナント型が多く、旧来型ホスティングに対する価格競争力が得られず、あまり広まらなかった。その後、日本では2007年に郵政公社(現・日本郵政)がSalesforceを大規模導入すると、これがきっかけとなってASP/SaaSが受け入れられるようになり、普及が進んでいる。

参考文献

▼『ASPのすべてがわかる本――図解Webコンピューティング入門』 林雄代、氏家正臣=著/日本能率協会マネジメントセンター/2000年11月

▼『ASP:アプリケーションサービスプロバイダ??インターネットを利用した新たな仕組みが企業のコンピュータ利用を変える』 タスクIT新書編集部=編/タスク・システムプロモーション/2000年11月


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