クラス図(くらすず)情報システム用語事典

class diagram

» 2006年05月21日 00時00分 公開
[@IT情報マネジメント編集部,@IT]

 オブジェクト指向の分析・設計において、対象領域やシステム内部の静的な構造とクラス間の関係を示す図。今日では、UMLのクラス図をいうことが多い。

 UMLクラス図は、開発工程に応じてクラスを段階的に成長させるような使い方ができるように考慮されている点が特徴で、概念設計から仕様定義、詳細設計まで各フェイズでさまざまに利用される。概念レベルのクラスを表すには矩形内にクラス名を記すだけだが、仕様レベルでは矩形を分割して属性や操作も追加する。実装レベルではさらに詳細化して実装に必要な情報を記述していく。

 クラスの関係(リレーションシップ)は、クラスを表す矩形と矩形の間に線(パス)を引いて表現し、線の横に関連名や役割名、多重度などを記してその関係をより明確にする。

 UMLクラス図におけるクラス間の関係の表記は、以下のとおり。

関連(assosiation)

クラスとクラスの間に関係があることを示す。

誘導可能性(navigability)

あるクラスから関連するほかのクラスへの参照を持っていることを示す。

集約(aggregation)

あるクラスがほかのクラスの組み合わせで構成されていることを示す。要素を表すクラスが消滅しても、全体を表すクラスは消滅しないような関係に使われる。

コンポジション、複合、合成(compositioin, composit aggregation)

あるクラスがほかのクラスの組み合わせで構成されていることを示す。集約より強い結び付きを示し、全体/部分の2つのクラスの生成と消滅が一致するようなものの関係に使われる。

依存(dependency)

あるクラスの変更がほかのクラスに影響を及ぼすような動的・一時的な関係を示す。

汎化、一般化(generalization)

一般的なクラス(スーパークラス)と具体的なクラス(サブクラス)の関係を示す。

リアライゼーション、実現(realization)

仕様を表すクラスと、それを実現するクラスの関係を示す。

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