ITmedia
Today on ITmedia 2004年09月13日 19時55分
Home News Enterprise AnchorDesk Mobile PCUPdate LifeStyle Games Shopping Jobs
Security | Developer | Case Study | Survey | IT Premium | Mail Magazine | ケータイ・サービス
用語辞典 | ソフトバンクの出版物 | Site Map | Ranking » Top30
表紙

Click Here!
高速インターネット入門
14万人のインターネット大調査
WEB OF THE YEAR 2002
ホームページ作成講座

Yahoo! Internet Guide 2002年6月号 2002年4月26日(金)
News Browse Focus

いますぐ実現できる“e-Japan”
-
1軒も本屋がない村に出現したネット書店

成瀬村――人口3500人。秋田県の東南端にある小さな村。古くから「仙人の郷」として知られるのどかな場所だ。

 4月、そんな村に、ネット書店ができた。

 地元の書店がネット通販を始めたのか? と思えば、ウェッブサイトはないらしい。ウェッブサイトのないネット書店って、どういうことだろう?

Photo Photo
東成瀬村は秋田県の東南端にある。東は岩手県に、南は宮城県に接する。標高1424メートルの秣岳(まぐさだけ)周辺は、風光明媚な栗駒国定公園。キャンプや森林浴、温泉、スキーなど、自然が楽しめる場所だ
東成瀬村ホームページ

インターネットのメリットを
知らず知らずのうちに享受

 実はこの「ネット書店ひがしなるせ」、正体は村役場だったのだ。

 東成瀬村には、本屋が1軒もないという。インターネットが使える人ならそれこそAmazon.co.jpなどで注文すればよいが、村のインターネット普及率はまだまだ低い。そこで、そうした人の代わりに村が代行して注文しましょう、という試みなのだ。申込用紙に記入して窓口に持参するか、電話かFAXで申し込むと、職員がネット上の本屋を検索し、手続きを行う。すると、1週間以内には本が届く。利用するサイトは特定していないが、送料、品揃えの面でAmazon.co.jpの活用頻度が高いという。

 3月下旬、村の広報誌で告知して、4月10日までの時点での注文は5件程度だ。「最初は月に1〜2件あればいい方かなと思ってました」(総務課の備前博和さん)というから、順調な滑り出しのようだ。

「村のホームページでも、さまざまな情報提供や図書館の蔵書検索サービスなどを提供していますが、結局ネットに接続している村民が少ないと意味がないんです。村のインターネット利用者は、まだ1割程度じゃないでしょうか」(備前さん)

 そこで、最初からパソコンを使うのではなく、まずはインターネットの便利さを実感してもらおう、というのがこの方法だ。ネット書店を通じてインターネットに興味を持ってもらい、村が設置する公共端末の利用率を上げ、ひいてはインターネット利用者を増やしていきたいという。

 今後、本以外の商品を扱う計画もある。利用者の支払い口座を管理することなども考えているという。

 比較的大がかりで、実現までにはある程度時間もかかりそうな「電子役所」への取り組みもいいが、「いますぐ実現できる」レベルで、インターネットを全く意識させずにそのメリットを享受できるようにした「ネット書店ひがしなるせ」に、学ぶべき点も多いのではないだろうか?

Focus  「ネット書店ひがしなるせ」注文手順
  1. 欲しい本があったら、申込用紙に記入
  2. 村から委託を受けたシルバーバンク(高齢者の人材バンク)が、この書店の窓口。申込用紙を直接持参するか、電話かFAXで申し込む
  3. 本が到着。配達もしてくれる。シルバーバンクが普段福祉サービスのために行っている巡回ルート中に、申込者のところに届けてくれるのだ

文/編集部
前 News Browse Focus 4/4


SEARCH
@IT sbp 会社概要 | 利用規約 | プライバシーポリシー | 採用情報 | サイトマップ | お問い合わせ
ITmediaはアイティメディア株式会社の登録商標です。