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“著作権フリー”を再考しよう
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文化庁が著作物の自由利用を認めるマークを作成

化庁は2月10日、著作物の利用許可範囲を一定のルールに基づいて示すことができる「自由利用マーク」を公開した。これは、文章や写真、イラスト、またはそれらを組み合わせたウェッブサイトなどの「著作物」について、作成者が自分の著作物を他人に自由に使ってもらってよいと考えた場合にその意思を表示するためのマーク。現在、文化庁のサイトからダウンロードできるようになっている。

自由利用マークの種類
コピーOK 「プリントアウト・コピー・無料配布」OKマーク
「印刷」「コピー」「無料配布」のみを認めるマーク(変更、改変、加工、切除、部分利用、要約、翻訳、変形、脚色、翻案などは含まれない)。そのまま「印刷」「コピー」「無料配布」をする場合に限られる。コピー時や印刷時に必要な「実費」の徴収も認められない
「障害者のための利用」OKマーク 「障害者のための利用」OKマーク
障害者が使うことを目的とする場合に限り、コピー、送信(ネット上の公開など)、配布など、あらゆる非営利目的利用を認めるマーク。変更、改変、加工、切除、部分利用、要約、翻訳、変形、脚色、翻案なども含まれており、コンテンツの点字化や色覚障害者向けに色やデザインを変更することも認めている
「学校教育のための利用」OKマーク 「学校教育のための利用」OKマーク
学校などの教育現場のさまざまな活動で使うことを目的とする場合に限り、コピー、送信、配布など、あらゆる非営利目的利用を認めるマーク。こちらも変更、改変、加工、切除、部分利用、要約、翻訳、変形、脚色、翻案など、コンテンツの改変を認めている

 文化庁長官官房著作権課の尾崎史郎氏は、マークを公開した理由をこう語る。

「ネットでウェッブサイトや素材集を公開している人は多いですが、その人たちは皆さん『著作者』ですよね。彼らが不特定多数の人に使ってもらうときに、こういうマークがあるとわかりやすいのではないかと思い、昨年夏ごろから計画を進めてきました。自分のサイトで著作物を『著作権フリー』として公開している人は多いのですが、細かくただし書きを読んでみると権利的におかしなものも多い。マークを作ることで、著作権の正しい理解を促し、著作物を自由に使ってもらいたいと思っている人の手助けになればと考えています」

 今回、目的や利用範囲によって3種類のマークが設定された。マークごとに、著作物の改変を認めるかどうかの扱いは異なっている。また、「プリントアウト・コピー・無料配布」OKマークの付いた著作物は、ネット上での利用が認められていない。マークの付いた著作物だからといって、自分のウェッブページ上で使うことはできないのだ。

「作成段階で最初はいろいろな条件を考えていたのですが、1つのマークに特定の意味を与えて『これはこういうことができるマークです』という形にしなければ、広く一般の人に受け入れられないでしょう。あまり複雑になるとかえって混乱を招くのではないかと思い、最初はこの3つの形でスタートすることにしました」(尾崎氏)

 マークの利用は強制ではなく、文化庁側も「利用したいユーザーだけ利用してください」というスタンス。一般の人がどれだけマークを利用するかは未知数だが、官公庁が著作物の自由利用に対して一定のルールを示したのは興味深い。

 本来、他人の著作物の利用は原則的に(私的複製以外は)作成者に許可を取る必要がある。マークの普及によって「自由利用」の考え方が広まれば、そうした手間も軽減されるはずだ。今後の展開に注目したい。

自由利用マーク
www.bunka.go.jp/jiyuriyo

文化庁に聞く自由利用マークについての疑問

Q. 自分のウェッブサイトに使ってもいいの?
A.ウェッブサイトに貼る際は、トップページにだけ貼り付けるのではなく、ページ単位で付けるようにしてください。ウェッブサイトの場合、どうしても他人の著作物が交じってしまう可能性が高いため、ページごとにコンテンツを確認してその都度付けるようにした方が間違いも少なくなるでしょう。

Q. 自分の作った音楽データに使うことはできる?
A.いまのところは音楽には使わないようにしてください。単に音楽データといっても、たとえばアーティストの曲のMIDIデータを作っている人の中には、作ったMIDIデータを自分の著作物だと勘違いする人もいるんです。混乱を避ける意味で、今回のマークは文字、画像ベースのものに限定しています。

Q. 完全に自分の著作物の権利を放棄したい場合は?
A.そういう場合はこのマークを使うのではなく、権利を行使しない旨を書いたただし書きを付ければいいと思います。権利放棄するのではなく、細かく使用条件を指定したい場合は、マークと一緒に補足の文章を書くという方法もあるでしょう。

Q. マークを付ける際にわからないことがあったら?
A.電話(03-3595-1336)かメール(chosaku@bunka.go.jp)で問い合わせてください。こちらも利用者の反応を見ながら、改善していきたいと思っています。

Focus
あなたはどう書いてる? “著作権フリー”の実態
<わかりやすい書き方の例> ●このサイトのコンテンツはすべて著作権フリーです。商用・非商用を問わず、ご自由にご利用いただけます。
<あいまいな書き方の例> ●ここの素材は著作権フリーですので、商用でも何でも自由に使っていただいてかまいません。ただし、商用の素材集に入れるときは事前にご連絡ください。
●ここにある画像は商用に使う以外は著作権フリーです。ご自由にお使いください。(ただし再頒布はしないでください。)
●ここに掲載されている作品について個人・商用を問わずどのような用途に使用・加工・編集してもかまいませんが、著作権法上、無断転載・無断複製は禁じられています。
実際に個人のウェッブサイト上に書かれている「著作権フリー」の例。「著作権フリー」とあると何でも自由にしてよいという印象があるが、実際は、それぞれに認める範囲は異なっている。商用、非商用などの目的や再配布、改変の有無を認めるかどうかを細かく指定したい場合は「著作権フリー」とは書かず、それぞれの項目に応じて認めるか否かを記載するようにしよう

文/津田大介
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