コミュニケーション部門で部門賞を受賞したのは、国産のMSNメッセンジャー互換ソフトRegnessemだ。

　最も大きな特徴は複数アカウントでの同時ログインが可能なことだ。プライベートと仕事用でメッセンジャーのアカウントを使い分けている人は多いが、本家メッセンジャーでアカウントを切り替えるには、いったんログアウトしてユーザー名を変えて再度ログインしなければならない。しかし、Regnessemを使うと複数のアカウントに同時にログインし、それぞれのアカウントのメンバーリストをタブで分けて表示し、同時に会話を楽しめる。

　またログインするときにほかの人に対して自分が不在であるかのように見せることができ、話したくない相手がオンラインのときはメッセンジャー上で居留守を使うことができる。これも本家MSNメッセンジャーにはない機能だぞ。

　ただ1つ気になることがある。マイクロソフトが10月15日からサードパーティのMSNメッセンジャーネットワークへのアクセスを禁止するという噂があるのだ。これによってRegnessemに影響が出るかどうかは分からないが、この素晴らしいツールが存続することを願ってやまない。

コミュニケーション部門賞選評

田口和裕 1日の大部分をパソコンに向かって過ごしている僕にとって、メッセンジャーは仕事でもプライベートでも欠かすことのできないソフトだ。当然常駐させているし、もしかすると使用頻度はブラウザよりも高いかもしれない。だからこそ使用感にはこだわりたい。できるだけ軽いほうがいいし、複数のアカウントを使用しているのでマルチアカウント機能は必須だ。そういう意味で「Regnessem」は理想のソフトだ。完成度の高かった「偽メッセンジャー」の機能を踏襲し、さらに進化し続けている。これからも毎日使い続けるだろう。 darkhorse 電子メールを送るよりも手軽に、そしてリアルタイムにおしゃべりできる……その利点を最大に発揮するのが各種メッセンジャーだが、あれもこれもと機能を詰め込んで重くなりすぎ、しかもごちゃごちゃして使いにくくなっているものが多い。そのようなユーザーの要望を無視した現状から、Regnessemのようなシンプルさをウリにした互換ソフトが開発されて受賞するというのは、非常にいい流れだ。願わくばMSNもこれを参考にして、もっとユーザーの立場に立ってほしいところだ。 ぬる℃ サーバやCGIといったプログラムは一般人にはあまりなじみのないものだろう。実際、2つのウェブサイトを管理している私でも、CGIをいじったりサーバを立てたりといったことは、たまにしか行わない。一方、メッセンジャーはライトユーザーからヘビーユーザーまで広く使用されているソフトである。サーバ金賞のDICEやCGI金賞のBBSNoteも非常に優れた機能を持っているが、より多くのユーザーに恩恵のあるメッセンジャーから部門賞が選出されたのは妥当な結果であろう。 橋本和明 コミュニケーション部門賞はメッセンジャーソフトとなった。しかし選ばれたソフトは互換品だ。純正のメッセンジャーが企業から供給されているのに、なぜわざわざフリーソフトの互換品を利用するのだろうか。個人的には、企業製のものを使うよりも自由にカスタマイズでき、企業製のような画一的なものではないからだと思う。「玄人感」の強いソフトウェア。ちょっとウンチクが語れるソフトこそオンラインソフトとしてふさわしい存在なのではないか。 ネットランナー メッセンジャー系のツールは、あらかじめ誰もが使えるように作られているだけに、別のソフトに乗り換えようという人は少ない。だが、ぜひ今回部門賞を受賞したRegnessemを使ってみてほしい。タブブラウザを初めて使ったときのように衝撃的な使い勝手の向上と、今までのメッセンジャーと全く違ったコミュニケーションのスタイルを見つけられるはずだ。行うことは同じチャットでも、ツールが楽しみを広げてくれる。ユーザーに新しい世界を提示してくれる素晴らしいソフトだ。

ベスト・オブ・悪用厳禁ツール　13/15