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» 2011年07月22日 23時24分 UPDATE

ウッドコーン進化の系譜:“究極のフルレンジ”目指したビクター「EX-AR9」限定販売

ビクター・JVCは、独自のウッドコーンスピーカーを採用したコンパクトなコンポーネントシステム「EX-AR9」を発表した。「ネジ1つ、木片1つにまでこだわって作った」というプレミアムモデルだ。

[芹澤隆徳,ITmedia]

 ビクター・JVCは7月22日、独自のウッドコーンスピーカーを採用したコンパクトなコンポーネントシステム「EX-AR9」を発表した。2009年に発売した「EX-AR7」をベースとし、各所に新開発の音質改善技術を多数投入した“プレミアムモデル”という位置づけ。同社直販サイト「ビクターダイレクト」限定で8月下旬に発売する。価格はオープン。直販価格は12万9800円となっている。

ts_vic04.jpgts_vic05.jpg 「EX-AR9」

 ビクターは、2003年には初のウッドコーンスピーカー搭載コンポ「EX-A1」発売以来、2Way化や単品スピーカーの発売などラインアップを拡充する一方、フルレンジに対する強いこだわりを持ってきた。それは、「“小口径スピーカーならでは”の定位感と自然な音場の広がり」を重視しているため。世代が変わるたび、ウッドコーンに関する新たな研究成果を新技術に昇華して製品に加えてきた。

 例えば2007年に登場した「EX-A3」では、それまで8.5センチ径だった振動板を9センチに大きくして低音とスケール感を拡大。キャビネット内の吸音材を一般的な綿系吸音材(フェルトなど)からチェリー材のチップに変更して解像感の向上を図った。2008年の「EX-AR3」では、キャビネットの奥行きを長くすることで容量を約11%拡大。また吸音材をメイプルに変えることで低域に重厚さを加えることに成功したという。アンプ部の底面に「アークベース」と呼ばれる木製ボードを取り付け、剛性アップと制振性をアップさせたのもEX-AR3からだ。

 新製品のベースモデルとなった「EX-AR7」(2009年)では、新たに「異方性振動板」が採用された。木製の振動板は伝搬速度が高く、適度な内部損失を持つが、木目の繊維方向によって伝搬速度が異なる。このため振動板の上下左右に“羽根”を取り付け、上下の羽根を少し細くすることで水平方向の指向特性を改善、音場空間を広げたという。またボイスコイルボビンまで木製にして音響出力を向上させたのもEX-AR7が最初だ。

ts_vic01.jpgts_vic02.jpg 「異方性振動板」の概要。縦と横で羽根のサイズが異なる

 今回のEX-AR9では、これまでに積み重ねてきた技術をすべて導入した上で、データに裏付けられた新技術を多く採用した。まずはスピーカーユニットの中央にあるセンターキャップ。従来よりも凸量を増やすことで、広がりがあってヌケの良い高域再生が可能になった。またセンターキャップの内側にはメイプル吸音材を装着。繊維方向を縦方向に合わせることで、音が上下に広がるようになったという。

ts_vic03.jpgts_vic07.jpg センターキャップは従来よりも“でべそ”になった

 ユニットを支えるダンパーは、振動板の振幅方向に対する追随性を向上させるため、内側から外側に向けて山谷の高さを増す“すり鉢状”にした。低音域でのリニアリティーが改善し、ひずみの少ない低音再生が可能になる。

 一方のスピーカーキャビネットは、バッフルの上部内側にスプルース響棒を追加。またスピーカーユニットの磁気回路部を支える装着木材を従来のチェリー材からメイプル材に変更し、さらに形状や取り付け位置を見直したことで、不要な振動を抑えることができた。「解像度の向上と低重心な低音再生を実現した」(同社)。

ts_vic08.jpgts_vic09.jpg カットモデル。上部の白い木材がスプルース響棒。ユニットの後ろに付いているのが装着木材

 アンプ部には振動対策として、銅やアルミ、真ちゅうニッケルといった異なる金属のワッシャを使用することで共振を分散。さらに独自のK2回路の定数や音質コンデンサーの変更など、細かな改善も加えている。開発を担当した同社技術部開発グループの今村智氏は、「ネジ1つ、木片1つにまでこだわって作った。ベースモデルのEX-AR7が高音質モデルであったからこそ実現できた“究極のフルレンジシステム”だ」と胸を張った。

 また営業企画担当の安富稔氏は、「オーディオ離れが進んでいると言われる昨今、本当に“良い音”を知らない若い層が増えてきた。スピーカーでゆったりと音楽を聴く心地よさを知ってほしい」と話している。

ts_vic020.jpgts_vic021.jpgts_vic022.jpg アンプ部は各所に異なる金属のワッシャを使用(右)

 そのほかの主なスペックは下表の通り。

 なお、ビクターダイレクトではEX-AR9の予約キャンペーンとして、7月23日から8月11日までに予約した人を対象として、非売品の「原音探求ソフト」や「簡単リモコン」をプレゼントするほか、オプションのスピーカースタンド「LS-EXA3」が半額になるセット価格、無金利の10回分割クレジットキャンペーンといったプレミアムな特典を用意する。また7月30日には「ビクタースタジオ」で一般ユーザーを対象とした試聴会を実施する予定。試聴会に参加し、かつEX-AR9を購入すると、オリジナルのナンバープレートがプレゼントされる。詳細はビクターダイレクトのWebサイトを参照してほしい。

ts_vic010.jpgts_vic011.jpg

ts_vic014.jpgts_vic015.jpgts_vic013.jpg スピーカースタンド「LS-EXA3」(左)、「簡単リモコン」(中)、オリジナルナンバープレート(右)

製品名 EX-AR9
CD部 DVDオーディオ、DVDビデオ、スーパービデオCD、ビデオCD、音楽CD、DVD-R/RW(CPRM対応)、DVD+R/+RW(ビデオモード)、CD-R/RW(CD-DA、WAV、MP3、JPEG、MPEG-2、MPEG-1)再生対応
アンプ出力 40ワット+40ワット
インタフェース アナログ音声入力×2、光デジタル入力×1、アナログ音声出力×2、光デジタル音声出力×1、ヘッドフォン出力(ステレオミニ)×1、サブウーファー出力×1、USB×1、D2映像出力、S1/S2出力、コンポジット出力、AVコンピュリンク×1
USB部 USBマスストレージクラス対応(CDからMP3録音可能)、MP3、WMA、WAV、JPEG再生対応
外形寸法 アンプ部:246(幅)×114(高さ)×283(奥行き)ミリ、スピーカー部:120(幅)×161(高さ)×264(奥行き)ミリ(1本)
重量 アンプ部:約4.4キロ、スピーカー部:2キロ(1本)
価格 12万9800円(直販価格)
出荷時期 8月下旬

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