気軽に持ち歩ける、画質くっきりの1型コンデジ「Powershot G7 X Mark II」(2/3 ページ)
キヤノンの1型センサー搭載コンデジ「PowerShot G7 X Mark II」は、モニターのチルト形状が進化したり、USB充電が可能になったり、メニューがEOS風になったりと細かく改良が施され、確実にハイエンドっぽさが上がった。
画像処理エンジンが新しくなりメニューもEOS風に
では撮ってみる。
広角系の1型センサーハイエンド機の市場はソニーの「RX100」シリーズが作ったといって過言ではないが、キヤノンはそこに対してレンズスペックを少しだけ上げてきた。F1.8〜F2.8という明るさを保ちつつ、望遠側を100mm相当と少しだけ強くした。ライバル機に比べると望遠に少し強いのはメリットだ。
シャッタースピードは最高で1/2000秒。快晴下で絞り開放で撮るとこのシャッタースピードでは足りないが、NDフィルターを内蔵しており、NDオートにすると自動的にNDフィルターで調節してくれる。その代わり電子シャッターは使えない。
ISO感度はISO125から12800。ISOオートは標準に加えて早めと遅めを指定できるが、早めにすると、標準では1/100秒でISO1000の暗い場所でも、1/1000秒でISO10000なんていうすごいセッティングで撮ってくれたりするので、要注意。早めと遅めの差がちょっと極端すぎるかと思う。
撮影最短距離は広角側で約5センチ、望遠側で40センチ。AFにはマクロモードとオートモードがあるが、オートモードでマクロ域までフォーカスが合うので普段は気にしなくてよい。
マクロモードに切り替えると、5センチから50センチのマクロ域にしかフォーカスが合わなくなる。近距離で撮影したいのにフォーカスが背景に合っちゃうときや、マクロ撮影時のAFを速くしたいときに切り替えるといい。
AFはオートモードで近距離の被写体を撮ろうとすると、ちょっと遅かったり後ろに抜けやすくなったりするが、基本的には快適だ。タイムラグも少なく、使っていてもたっとすることはまずない。タッチAFを使えば任意の位置にフォーカスを合わせられるほか、フォーカス枠のサイズもリングで切り替えられる。
これはなかなかよい。
露出補正は撮影モードダイヤルと2段になっており、親指で回しやすい位置にある。この2段ダイヤルはなかなか素晴らしい。
リングには撮影モードに応じて自動的に内容が変わるSTDモードの他、ISO感度、ホワイトバランス、ステップズームなどに割り当てられる。リングにISO感度を割り当てると、背面のロータリーダイヤルが絞り(あるいはシャッタースピード)用になる。
操作系周りでG7 Xと大きく変わった点が1つある。
メニューのデザインが従来の「Powershot型」から「EOS型」に変更されたことだ。
従来の「ダイナミックレンジ補正」と「暗部補正」も「オートライティングオプティマイザ」と「高輝度側・階調優先」に変更された。
セカンドカメラとして使いたいEOSユーザーには朗報だ。
動画には自動水平補正が
動画機能は4Kに非対応で、フルHDまでだが、ブレ補正には力を入れており、5軸手ブレ補正(ダイナミックIS)を搭載。自動水平補正機能も用意された
面白いので試してみたのがこちら。本来は撮影時のカメラの傾きに対応するものだが、わかりやすいよう噴水を撮りながら、わざとカメラを左右に傾けてみた。
動画はMP4形式で保存される。
もう1つ、最後になったが、自撮り機能も充実した。
なお、シーンモードから「自撮り」を選ぶと美肌効果など、自撮りならではのエフェクトをかけることも可能だ。
でもまあ基本的にはG7 Xの後継機。G7 Xのコンセプトや良さを生かしつつ、モニターのチルト形状が進化したり、USB充電が可能になったり、メニューがEOS風になったりと細かく改良されており、確実にハイエンドっぽさは上がった。
今コンデジを買うなら高画質を期待できる1型センサー機が第一候補になるわけで、EVFと4K動画を必要としないのならG7 X IIはいい選択肢だ。気軽に持ち歩けるし、タッチパネル対応なので操作もしやすいし(何よりタッチAFは便利)、画質もくっきりしていて見栄えがする。
お勧め度は高い。
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