電話線はNTT交換局から自宅まで直線的に引かれているわけではない。また、間にいくつもの機器があったり、電話線自体が古くなっているところもある。NTT交換局までの距離はあくまで参考にしかならないわけだ。そこで、距離ではなくNTT交換局から届く電気信号がどのくらい劣化するのかを数値で表した「伝送損失」が判断の目安になる。NTTではユーザー宅からNTT交換局までの実際の線路長と伝送損失の情報を提供しているので、どんな環境にあるかがわかりやすくなっている。
伝送損失は、160kHzでの信号電力の劣化程度をdB(デシベル)で表す損失量のこと。この帯域はADSLで利用される全周波数帯の中間にあたる。数値はNTTが提供する「電話回線の線路情報(線路情報開示システム)」で確認できる。この数値を参考にすれば、最適なADSLサービスを選べるわけだ。なお、リーチDSLは50dB以上の環境で推奨されている。