引き続き信用収縮=リスク許容度の低下が続き軟調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年05月20日 08時39分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10444.37▼66.58

<NASDAQ>2298.37▼18.89

<為替:NY終値>91.7-91.76

引き続き信用収縮=リスク許容度の低下が続き軟調

 朝方発表された消費者物価指数(CPI)はほぼ予想通りとほとんど材料視されず、前日に引き続きドイツの空売り規制や欧州株安を嫌気して売り先行となりました。相変らず決算は好調ということに加え前日の大幅下落の反動も期待されましたが、リスク許容度の低下は続きリスク資産からの逃避の動きから大きく売られる場面もありました。商品市況も軟調となったことから新興国経済への影響も取り沙汰されて売り急がせる場面もあったものと思います。日本市場と同様に売り飽き気分や値頃感からの買いも入り下げ幅縮小となりましたが、信用収縮の流れが続いているということのようです。

 ギリシャ国債の償還も問題は無く、特に売り急がなければならない材料のない中でリスク資産からの逃避が続いています。足元の業績は好調なのですが欧州発の信用収縮が新興国の景気も減速してしまうのではないかとの懸念が強いということのようです。金融機関に対する規制強化の動きは米国でもあり、ますますリスクを取るような資金が減少するという懸念が強く、ちょっとしたことで売り急ぐことになるのでしょう。

 個別には持高調整の買い戻しなども見られバンク・オブ・アメリカやシティグループ、JPモルガン・チェースといった銀行株が高く、GE(ゼネラル・エレクトリック)も堅調となりました。コカ・コーラやプロクター・アンド・ギャンブルなどディフェンシブ銘柄は小幅高となりました。キャタピラーは新興国景気の減速懸念から売られ、インテルは堅調でしたが、IBMやアップルも軟調となりました。前日引け後に業績見通しの上方修正を発表したHP(ヒューレット・パッカード)は小幅高、予想を上回る決算を発表したポロ・ラルフローレンは堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株安やユーロ安を受けて売り先行となりました。一時大きく下落する場面もあったのですが、ユーロが下げ渋りとなったことや値ごろ感からの買戻しなども見られて戻り歩調となり、最後は下げ幅を縮小、軟調ながらも高値引けとなりました。ユーロ安など先行きに対する不透明要因は多いものの、足元の業績回復を織り込むように、また、売り飽き気分もあったものと思います。持高調整の売りや外国人の売りも一巡となった感があることで、ちょっとした買い戻しで指数は下げ渋りとなったのでしょう。

 米国市場は軟調となり、対米ドルでも円高となっていますが、ユーロが戻り歩調となったことから本日の日本市場は軟調ながらも底堅い展開が期待されます。昨日の動きなどを見ていると持高調整の売りも一段落、売られ過ぎ銘柄の買い戻しなども見られ、引き続き本日も材料含みの幕間つなぎ銘柄なのでしょうが、売られ過ぎ銘柄や好決算を発表しながらも売られた銘柄などの反発、底堅さを期待したいものです。商品市況の下落や米ドルでの円高と言うこともあり、積極的に買い上がるような展開にはならないのでしょうが、内需関連銘柄の反発も期待できるかもしれません。

 昨日もかろうじて下値の節目と見られる10100円台半ばから200円台半ばの水準で下げ渋った格好となりましたが、本日も引き続き10100円台での動きが中心となるかもしれません。10200円台半ばを抜けて来るようであれば、売り飽き気分からの買いなども期待されて堅調な展開となるのでしょうし、10100円を割り込むと再び10000円を意識するところまで売られることになるのでしょう。いずれにしても上値は重いながらも底堅いような展開となりそうです。

本日の注目点

◇1−3月期GDP(国内総生産)

◇4月コンビニエンスストア売上高

◇米新規失業保険申請件数

◇日銀、金融政策決定会合(〜21日)

◇3月期決算:日工営(1954)、ミズノ(8022)、SONYFH(8729)、東京海上(8766)

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