Xperiaはスマートフォンの枠を超える――「Xperia X」「スマートプロダクト」発表:Mobile World Congress 2016
ソニーがMobile World Congress 2016にてXperiaの新シリーズと、スマホ以外のデバイスを発表した。Xperia Xは使い勝手を追求し、スマートプロダクトは「スマホの体験にインテリジェンスを加える」という。
ソニーは2月22日、スペイン・バルセロナで開幕した「Mobile World Congress 2016」でプレス発表会を開催し、Xperiaの新シリーズ「Xperia X」を発表した。あわせて、「Xperia」ブランドをスマートフォンから広げた、ハンズフリーカメラやパーソナルアシスタントなどの「スマートプロダクト」4製品も披露した。
ソニーの取締役兼代表執行社長兼CEOの平井一夫氏は、米国ユーザーが1日にスマートフォンをチェックする回数は80億回に達していることに触れ、「コミュニケーションは日常生活の中核であり、スマートフォンは最もユーザーに近いタッチポイントだ」と述べる。ソニーは継続してXperiaで「コミュニケーションの境界線を広げていく」とした。
ソニーモバイルコミュニケーションズの社長兼CEOの十時裕樹氏は、Xperia Xが、単に機能を追加するだけではなく、主要な機能へのアクセスや使いやすさに注力したシリーズであると説明。ラインアップは、64ビット6コアのSnapdragon 650を搭載した「Xperia X」、64ビット4コアのSnapdragon 820を搭載した高性能な「Xperia X Performance」、ミッドレンジの「Xperia XA」という3モデル。
XとX Performanceは有効約2300万画素CMOSのカメラを搭載し、「先読みオートフォーカス」機能により、被写体の動きを予測することで、ブレを抑えた美しい画像を撮影できるという。
バッテリーについては、典型的な利用方法の場合、1回の充電で2日間使い続けられるという。また、バッテリーそのものの寿命にもこだわった。ソニーモバイルが出資しているシリコンバレーのベンチャー企業、Qnovoのアダプティブチャージング技術を利用し、温度や利用状況などに合わせてバッテリーを最適化することで、バッテリーの寿命が最大2倍に延びるという。
画面サイズは全て5型で、解像度はXとX PerformanceがフルHD(1080×1920ピクセル)、XAがHD(720×1280ピクセル)。ディスプレイのガラス部分を含め、全体的に丸みを帯びたフォルムとなっている。色はホワイト、ブラック、ライムゴールド、ローズゴールドの4色展開。専用のスタイルカバーも発売する予定。3製品とも2016年夏に発売する。価格や市場は明らかにされていないが、X Performanceは日本市場でも発売予定だという。
Xperiaブランドの「スマートプロダクト」も発表
スマートフォン以外でも、「Xperia」のブランドを冠する製品群「スマートプロダクト」を発表。センサーやAIなどの技術を搭載しており、ユーザーの嗜好(しこう)や行動を理解することで、役立つ情報を先んじて提供し、円滑なコミュニケーションを楽しんでもらうことを目指す。
今回はワイヤレスイヤフォン「Xperia Ear」、装着型のカメラ「Xperia Eye」、ユーザーの声に反応するパーソナルアシスタント「Xperia Agent」、プロジェクターの「Xperia Projector」の4つを発表した。このうち、Xperia Earは2016の夏に発売予定だが、残り3製品は参考展示としている。
EarはBluetoothまたはNFC接続でスマートフォンと連携するイヤフォンだが、「単なるハンズフリーのイヤフォンではない」と十時氏は説明。ソニーの音声技術とセンサーを搭載しており、次の予定、不在着信、天気情報などを知らせるほか、ナビゲーションも行う。
Eyeは、服に装着してハンズフリーで撮影できるカメラデバイス。360度の球面レンズを備えており、顔や声で撮影タイミングを検知するインテリジェントシャッターも利用できる。AgentはAmazonの「Alexa」のようなパーソナルアシスタントデバイスで、ユーザーに音声で情報を伝えたり、周囲の家電製品をコントロールしたりできる。Projectorでは、プロジェクターがスクリーンに映し出した写真などをジェスチャーや音声で操作できる。
「Xperiaはスマートフォンの体験にインテリジェンスを加え、必要なときにユーザーをアシストする。ユーザーの生活をより便利に、より楽に、より自発的なものにする」と十時氏は話す。2016年以降は、スマートフォンの枠を超えた新しいXperiaも見られそうだ。
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