スマホアクセサリーを扱うFOXが、なぜ「BlackBerry」の販売を決めたのか(1/2 ページ)
BlackBerryは日本でも新機種が定期的に投入されている。BlackBerryを販売するFOXは、スマートフォンのアクセサリーやIoT関連製品などを販売している。なぜ、スマートフォンのBlackBerryを取り扱うことを決めたのか。
開発元がBlackBerry社からTCLコミュニケーションズに移ったBlackBerryだが、今でも定期的に新機種が投入されている。最近では、ドイツのベルリンで開催されたIFAに合わせ、ミドルレンジモデル「BlackBerry KEY2 LE」が発表された。このBlackBerryの販売代理店として日本市場で展開しているのが、FOXだ。
FOXはスマートフォンのアクセサリーやIoT関連製品などを販売する会社だが、スマートフォンそのものを手掛けたのはBlackBerryが初めて。しかも、最新モデルのBlackBerry KEY2に関しては、従来の販路に加えて「au +1 collection」として、auでの販売も行われている。SIMロックフリースマートフォン、それもBlackBerryをauがアクセサリーとして取り扱うのは異例のことだ。
では、なぜFOXがスマートフォン、それもBlackBerryを扱うに至り、ここまで販売を拡大しているのか。販売動向なども含め、最新事情を代表取締役の五十畑理央氏にうかがった。
口説き終えるのに約1年かかった
―― まずうかがいたいのが、なぜBlackBerryを扱い始めることになったのかということです。経緯を教えてください。
五十畑氏 もともとBlackBerryはドコモさんが取り扱われていましたが、弊社でもアプローチをかけていました。ドコモさんでの販売が終了したタイミングで、怖いもの見たさか、弊社に来ていただけたのがきっかけです。
―― それは、TCLになる前ということですか。
五十畑氏 そうですね。まだBlackBerryだったころです。コンペティター(競合)もいたので、口説き終わるのには1年ぐらいかかりました。
―― スマートフォンがさまざまある中で、あえてBlackBerryを選んだのはなぜでしょうか。
五十畑氏 もともとBlackBerryが大好きで、私がずっと使ってきたということがあります。そのときは取り扱えることになるとは全く思っていませんでした。ただ、スマートフォンのケース業界に入ってからは、ダメ元でアプローチを続けていました。結果、先ほど申し上げたように、先方に来ていただくことができ、面白い会社だと思ってもらえたようです。
―― Androidになる前からでしょうか。
五十畑氏 Classicも扱っていたので、そうですね。Classic、Passport、Priv、KEYoneときて、KEY2で5機種目になります。
―― AndroidにOSが変わった後の印象はいかがですか。
五十畑氏 やはり、扱いやすくなりました。かなり快適になったという印象です。また、Androidになってからは若い女性も増えましたね。恐らく、以前BlackBerryというものがあったとは知らないのだと思います。こういった方々も、仮に興味を持ったとしても、Androidではなかったら買っていただけなかったと思います。
キーボードのないBlackBerryは扱わない
―― 途中で開発元がBlackBerryからTCLに変わりました。何か変化はありましたか。
五十畑氏 ものとして、すごくよくなったと思います。それはデザインもそうですし、機能もそうです。価格帯もかなり抑えることができています。Privのころはめちゃくちゃ高かったですからね……。
―― なるほど。事業譲渡がプラスになったということですね。TCLといえば、もう1つ、ALCATELブランドの端末も扱っています。ただ、こちらは日本市場に参入しましたが、その後音沙汰がありません。FOXで扱うということは考えているのでしょうか。
五十畑氏 それはありません。弊社としては、特殊性のある商品、とがっている商品に注力しているからです。ALCATELはいわゆる“格安スマホ”の部類の商品が多いので、BlackBerryに注力していきます。
―― BlackBerryの中でも、取り扱っているものは全てキーボードを搭載したものです。ないモデルもあったかと思いますが。
五十畑氏 (キーボード)ありのものしか扱っていません。弊社で扱えないことはないのですが、これはあえてです。BlackBerryはやはりキーボードがないと。
―― 確かにキーボードがないなら、正直、他のメーカーの端末でもいいですからね。実際に買われている方は、どのような層が多いのでしょうか。BlackBerryということで法人ですか?
五十畑氏 B2Bの需要もかなりあって、銀行や証券会社でClassicをまだ使いたいという要望はあります。一方で、メインはB2Cですね。30過ぎから40代半ばぐらいまでの方々がターゲットです。
ただ、僕らとしては、これをもうちょっと下に引き下げたいと考えています。そうした考えもあって、ファッションブランドの「1PIU1UGUALE3(ウノピュウノウグァーレトレ)」とのコラボレーションをしています。ここでBlackBerryを売っていただくという取り組みを、KEY2でやっています。価格は12万円台後半と高いのですが、専用ケースを付けたものを販売しています。
―― 量販店でも取り扱っているのでしょうか。
五十畑氏 量販店は、ビックカメラさんだけですね。
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