Xiaomiは日本市場で成功するのか? カギを握るのは「5G」と「改正法」:石野純也のMobile Eye(2/3 ページ)
Xiaomiが、1億800万画素のカメラを搭載した「Mi Note 10」「Mi Note 10 Pro」を引っ提げ、日本に上陸した。このタイミングで参入したのは、市場が変化する“節目”を狙っていたことがうかがえる。2020年春に開始する5Gと、2019年10月の電気通信事業法改正だ。
改正・電気通信事業法の施行も日本進出の後押しに
Xiaomiが日本への参入を決めたもう1つの理由が、10月1日の電気通信事業法改正だ。この改正では各キャリアに分離プランが義務付けられたのと同時に、端末に対する割引も最大2万円に制限された。分離プランとして設計された料金に変更すれば、トータルでの支出は変わらないか、やや下がる格好だが、端末の“素の価格”が見えやすくなった結果、ハイエンドモデルの売れ行きにはブレーキがかかりつつある。
この状況が、Xiaomiにとって追い風になると見ているようだ。ワン氏は「リーズナブルな価格ながら高スペックの商品を提供できるのは、Xiaomiの強み」としながら、次のように語る。
「電気通信事業法が改正される前は、キャリアが販売するスマホには端末購入補助があった。そのため、日本のユーザーはリーズナブルなスマートフォンに関心が持てなかった。端末購入補助が2万円に制限された結果、携帯電話に対する支出も多くなっている。Xiaomiの商品はリーズナブルなため、法改正(の趣旨)にも合っている」
とはいえ、Xiaomiが日本で発売するMi Note 10やNote 10 Proは、1億800万画素のカメラを搭載し、プロセッサもSnapdragon 730Gと、ミドルレンジではあるが、どちらかといえばハイエンドに近い端末だ。前者が5万2800円(税別、以下同)、後者が6万4800円と、絶対値として見ると、安いとまではいえない。カメラの性能を考えると、確かにお値打ちではあるものの、SIMロックフリースマートフォンのボリュームゾーンは3万円前後のミドルレンジモデル。この価格帯は、大きく超えている。ワン氏も「Mi Note 10(シリーズ)については、数量を求めているものではない」と語る。
新規参入にあたってMi Note 10、10 Proを選んだのは、「Xiaomiがテクノロジーの会社だから」だ。「Mi Note 10(シリーズ)はカメラにフォーカスした商品で、次世代の撮影ができる仕様。高スペックのものを好むユーザーに向け、第1弾としてこの商品を投入した」という。その急成長ぶりに、日本でもスマートフォンに詳しいユーザーには有名なXiaomiだが、本格的にビジネスを広げるには、まだまだ知名度は足りない。技術的に特徴のあるMi Note 10、10 Proを投入する理由は、ここにある。
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