また、無線基地局はNetBSD*5を独自に改造した基本OSで動作しており、無線基地局オーナーのアクセス回線やネットワーク環境にかかわらず、接続して電源を入れた時点で、トンネルサーバーとのVTun接続が確立し、だれでも簡単に無線基地局を立ち上げることができる。「派遣工事の人件費を浮かせるために考えた仕組み」(岡部教授)だそうだ。
独自に改造したNet BSDで動作するルート社製の無線基地局を利用。定価で十数万円だが、中古品や学割制度を利用することで、5万〜10万円程度で仕入れている
みあこネットで使われているもう1つのトンネリング技術は「PPTP」と呼ばれるもの。ビジネスマンなどが出先から自社のサーバーに接続する場合などに利用する。VPN*6接続などと総称され、インターネットの中に仮想のプライベートネットワーク(トンネル)を構築することで安全にデータのやり取りが行える。
PPTP自体は、WindowsやMac OS Xに標準で組み込まれているので特殊なものではないが、公共的なホットスポットサービスでの利用はあまり例がない。そのため、みあこネットの接続設定では、初めにPPTPの設定を行う必要がある。そして、PPTPで接続された利用者のデータは、CANネットワーク内に設置されたPPTPサーバーを経由してインターネットとやり取りされることになる。
このように接続には2つのトンネリング技術が使われていることから、VTunのトンネルの中にPPTPのトンネルが張られるという二重のトンネル構造になり、「通常5M〜6Mbpsの接続速度が、3Mbps程度まで低下する」(岡部教授)そうだ。
開始当初は、MISのGenuine方式を使ってセキュリティを確保していたが、専用ドライバのインストールが必要になるなど「敷居が高く利用しづらかった」(岡部教授)のだが、この春から新たにPPTP方式を導入したことで、だれでも簡単に利用できる環境を整えることができた。
デートスポットとしても有名な鴨川の河原でも電波はバッチリ届く。それにしてもオヤジ2人が並んでネットする姿には哀愁が漂う!?