ITmedia
Today on ITmedia 2004年09月13日 19時55分
Home News Enterprise AnchorDesk Mobile PCUPdate LifeStyle Games Shopping Jobs
Security | Developer | Case Study | Survey | IT Premium | Mail Magazine | ケータイ・サービス
用語辞典 | ソフトバンクの出版物 | Site Map | Ranking » Top30
表紙

Click Here!
高速インターネット入門
14万人のインターネット大調査
WEB OF THE YEAR 2002
ホームページ作成講座

Yahoo! Internet Guide 2003年7月号 2003年7月3日(木)
高速インターネット入門

みあこネットを支えるボランティア、
補助金、トンネリング技術

 みあこネットを知るうえで、理解しなければならない大切なキーワードがある。それは「ボランティア」「補助金」「トンネリング技術」の3つ。

 無線基地局は、有志市民のボランティア精神により設置されている。場所やアクセス回線の帯域を提供するだけではない。みあこネットの接続料(実質的な運営費用)月額4700円も負担するのだ。無線基地局オーナーは随時募集しており、京都に限らず最近では富山や横浜などでも一部稼働している。

 さて、ここで1つの疑問が生じる。みあこネットで配布しているルート社製の無線基地局とその設置コストは、5万〜10万円程度*2にも上る。基地局オーナーは、そういった初期費用も負担するのかと。実は、今回の実験において、この部分の費用は国からの補助金*3で賄われているのだ。このように今回の実験プロジェクトは、市民のボランティア精神と公的な補助金の仕組みがかみ合うことで実現した珍しい例だ。岡部教授も「みあこネットのようなモデルは世界的にも珍しいのでは」と胸を張る。

 そして、みあこネットを支える3つ目のキーワードが「トンネリング技術」だ。この実験で技術開発を担当した岡部教授のグループがこだわったのは「セキュリティ」の部分。ただ、ホットスポットなどで一般的にいわれている盗聴防止*4といった観点からのセキュリティだけではなく、教授のグループがとくにこだわったのは、無料ホットスポット接続の匿名性を利用した不正アクセスや問題情報の発信といった面のセキュリティ対策だ。それを実現するため、現在のみあこネットは、前述の住所、氏名を確認したうえでのアカウント発行に加え、トンネリング技術を駆使したネットワークを構築している。

 トンネリング技術を一言で言うと、ネットワークの中に理論的なトンネルを作り、その中で情報をやり取りすること。そのため、安全かつ確実な情報のやり取りができ高いセキュリティの確保が可能となる。

京都大学 学術情報メディアセンター 研究開発部
岡部寿男教授
「注目されているプロジェクトなので、ここで開発された技術を多くの人に知ってもらえるチャンス」と、みあこネットの技術開発にも熱が入る。また、ホットスポットのセキュリティ問題についても一家言あり。みあこネットでそれを実現した

トンネルの中に
トンネルを作る二重構造

 みあこネットでは2つのトンネリング技術が使われている。1つは、「VTun」(ブイトン)と呼ばれるもので、無線基地局のバックボーンとなるブロードバンド回線や企業の専用線の中に仮想のトンネルを構築し、CANネットワーク内に設置されたトンネルサーバーと無線基地局を接続するための技術だ。VTunのおかげで、無線基地局オーナーは自宅や自社のLANにみあこネットの無線基地局を接続しても、LAN内のセキュリティを簡単に確保することができる。

 つまり、無線基地局がLAN配下にあっても、無線基地局経由のデータはトンネルの中を通り、みあこネットのトンネルサーバーとしかやり取りできないため、LAN内のほかのコンピュータに不正にアクセスできないようになっているのだ。

前 高速インターネット入門 3/5 次


SEARCH
@IT sbp 会社概要 | 利用規約 | プライバシーポリシー | 採用情報 | サイトマップ | お問い合わせ
ITmediaはアイティメディア株式会社の登録商標です。