ウイルスを使ったバッテリー、MITが開発
米マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者が、遺伝子操作したウイルスを使ったバッテリーを開発した。
このバッテリーは、ハイブリッドプラグインカーで使われる最新の充電式バッテリーと同程度の容量と性能だとMITの研究チームのアンジェラ・ベルチャー氏は述べている。個人向けの電子機器にも使えるかもしれないという。
従来のリチウムイオンバッテリーでは陽極(酸化コバルトかリン酸鉄リチウム)と陰極(黒鉛)の間をリチウムイオンが流れる。MITのバッテリーは、ウイルスを遺伝子操作してリン酸鉄でコーティングし、カーボンナノチューブで配線することで、ウイルスを電極として使用するという。使用するウイルスは一般的なバクテリオファージで、バクテリアには感染するが、人間には害はない。
実験では、プロトタイプは少なくとも100回、容量の低下なく充放電できたという。現行のリチウムイオンバッテリーの充電サイクルよりも少ないが、「もっと長持ちするようにできると思う」とベルチャー氏は言う。
同氏らは、このバッテリーは、室温かそれ以下の温度で合成でき、有害な有機溶剤は不要なので、環境に影響を与えずに安く製造できるだろうとしている。また非常に軽量で、容器の形に合わせた柔軟なバッテリーが実現可能だとしている。
今後の取り組みとしては、リン酸マンガンやリン酸ニッケルなど、電圧や容量の高い素材を使って、もっと高性能のバッテリーを目指すという。次世代バッテリーが完成したら、商品化が可能になるかもしれないと同氏は述べている。
この研究は4月2日にオンライン版Scienceに掲載された。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
「楽天銀行から数百万が勝手に移動」「残高が0に」……楽天証券のシステム不具合、連休中に発生
-
2
「クリスタ」素材、大量非公開でユーザー混乱 人物だけでなくペンや公式素材まで セルシス「誤判定もあった」が……
-
3
台風25号で“地下神殿”また稼働 雨水が流れ込む動画公開 今年度7回目で過去最多に
-
4
大雨で「首都圏外郭放水路」稼働 濁流が“地下神殿”を満たすまでの動画公開 国交省
-
5
JCOM障害「インターネットが使えない」 サポート窓口もつながりにくく
-
6
NTT東西が「にじさんじ電報」発売 ポップアップ台紙にはライバーの複製手書きメッセージ
-
7
楽天証券、追加認証の必須化で一部にトラブルか 「無限ループ」「ログインできん」
-
8
「モンスト」キャラの声をAI生成、MIXIのニュース紹介企画に批判続出 実施見合わせへ
-
9
J:COM「ネットつながらない」障害、約9時間で復旧 原因は「調査中」
-
10
ゼロから声を作れる音声生成モデル「Gemini 3.8 Flash TTS」公開 「Gemini Notebook」でも利用可能に
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR