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V3になったKAITO兄さん その新しいイメージと声について聞いてきた(5/7 ページ)

» 2013年01月09日 16時00分 公開
[松尾公也ITmedia]

──V3になるとトライフォンになりますよね。それで大きく変わりますか?

佐々木 トライフォンがあることでどういう効果があるのかはある程度試して組み込んでいます。一つ一つの音色がどうこうというよりは、流れで聞いたときに自然になったり音がつぶれなかったりといったところにトライフォンの意義を見いだしてはめこんでいくことが多かったですね。

──収録のポイント(音程)は?

佐々木 ケースバイケースで、シンガーのみなさんの得意な音程に合わせていく形になります。音程の録り方で低音がつぶれがちになったり、高音がうまく伸びない、苦しいようなことになったこともあるので。

──複数の音程で収録する、マルチポイントですね。

佐々木 そうですね。マルチポイントで録ってます。声の強さや張りで変化したりするので。例えば英語と日本語でまったくいっしょではなかったりとか。多ければいいということでもなかったりしますし。ガチャッポイドさんとかは多分1ポイントですよね。そんな訳で、特徴的な声を作ってバランスする音程を狭めるのも有効だったりします。また、人の声だと基本3ポイント以上が多いと思いますが。

──ファイルサイズを見ればわかったりしますよね。

佐々木 KAITOのファイルサイズはかなり大きいですね。

──全部で7Gバイトありますからね。その膨大なデータを構成する作業、何人がかりで作ったのですか?

佐々木 主に録音のディレクションと全体のプロデュースが自分で、データを手早く切り分ける所からデモソングの調整まで手広くトータルディレクションする担当者が1人、英語を中心とした作業担当が1人、音素の磨き込みとディテールアップを中心に徹底してサウンドと向き合う担当が1人、今回はそれに有名なスタジオでエンジニアとして活躍していたスタッフが増えて全部で5人ですね。

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