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新MacBook Proで「Touch Bar対応Office」を試してみた鈴木淳也の「Windowsフロントライン」

MacにはPages、Numbers、KeynoteといったApple純正アプリケーションがあるが、業務ではOffice for Macを利用しているケースも少なくないだろう。新MacBook Proの「Touch Bar」でOfficeのさまざまな機能が使えるようになったので、実際に試してみた。

 Appleが2016年10月に発表した新型「MacBook Pro」は、キーボード最上段を状況に応じて表示内容が変化する「Touch Bar」に入れ替えて話題を集めた。

 現状ではApple純正アプリケーションを中心に対応が限られているTouch Barだが、サードパーティーも準備を進めており、徐々に活用できるシーンが増えつつある。WindowsだけでなくmacOSの世界でも重要な生産性向上ツールとして認知されている「Office for Mac 2016」についても、2月16日のアップデートで正式対応となった。

 Microsoftが行っているユーザー参加型の開発協力プログラム「Office Insider Program」に登録している方は既に事前配布されているバージョンで試したかもしれないが、一般ユーザーはこのタイミングで正式に利用できるようになったわけだ。

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Office for Mac 2016のアップデートにより、新MacBook Proの「Touch Bar」でOfficeのさまざまな機能が利用可能になった

Office for Macに2016年2月16日時点で配信されているアップデートを適用する

Touch BarでOfficeはもっと便利になる?

 実際に新MacBook Proで今回のアップデートを適用すると、Office起動後にメッセージが表示され、Touch Barに対応したことが分かる。


アップデート後にOfficeアプリケーションを起動すると、Touch Bar対応が行われた旨のメッセージが表示される

 基本的にはWord、Excel、PowerPointがTouch Barに対応している。Neowinによれば、Outlook向けのアップデートは後ほど行われる予定という。

 WordではリボンやコマンドをTouch Barだけに表示させて、メインのディスプレイには作業中のドキュメントを映し出す「Word Focus Mode」という機能が利用可能だ。Excelでは直前に利用した関数がTouch Barに表示され、ここから関数を選択して手軽に計算が行える。PowerPointではグラフィックス要素の操作にTouch Barを用いることができ、指のスライドでオブジェクトの回転など可能だ。

 3つのアプリケーションを通じてTouch Barの表示は、主に装飾関係の編集機能を呼び出すためのショートカットとなっており、アプリケーション内にあるツールバーの機能を抜き出したものが多い。

 実際に試してみると、Officeでの作業中にあえてTouch Barを使う場面は少ないのだが、Touch Barの操作を慣れていけば作業効率にも影響を与えるかもしれない。

 例えばExcelで編集作業をしていると、カラム追加などのメニューがTouch Barに一発で表示されるため、通常のマウス操作ではいちいちメニューを切り替えたり、深い階層のメニューを呼び出したりするのが面倒なのに比べて、少しは便利という印象を受けた。


Wordを起動した直後のTouch Barの表示内容

テキストの装飾用のメニュー。表示領域のどこかに触れた状態でドラッグすると……

表示しきれなかった残りの選択項目がスクロールで現れる

色指定時に表示されるメニュー。さすがにカラフルだ

Excelで通常のセルを選択した場合、Word同様に装飾系のメニューが表示される

フォーカスをグラフに合わせた場合、メニューがグラフ関連のものに自動的に切り替わる

PowerPointでも同様に、通常は表操作用のタブを展開しないとできないカラム操作が簡単に行える

 Touch Barでの操作体系はまだまだ過渡期だが、今後はより改良して使いやすい形に進化していってほしいものだ。

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