疲れ目を抑制するFlexScan EV2436W-FSの機能でもう1つ面白いのがEIZO独自の「Paperモード」だ。これは名前の通り、紙の見え方を模した表示モードで、色温度が4500Kまで下がり、ガンマ値がオリジナルの値へと変更され、液晶ディスプレイの紙に対して高すぎるコントラストも抑制する。
見た目の変化としては、色温度が一般的な6500Kから大きく下がるため、画面全体が赤みがかって見えることが特徴だ。変更してしばらくは違和感があるが、時間がたつと目のほうが慣れてきて、赤みを感じなくなってくるので問題ないだろう。
今回、“目にやさしい”とされるこのPaperモードをオンにしたまま、ブルーライト対策メガネではない通常のメガネを着用してしばらくPC作業を行ったのだが、ブルーライト対策メガネをかけている場合と同じように目が疲れにくく、筆者が悩まされてきた偏頭痛も起こらなかった。こうした症状は個人差もあるので差し引く必要はもちろんあるとしても、筆者にとってはブルーライト対策メガネで得られる効果とどうやら等しいらしい。
これだけではさすがに主観的すぎるので、実際にディスプレイが発するブルーライトを計測してみることにした。光のスペクトル分布を計測できる分光放射輝度計を使い、Paperモードに設定したFlexScan EV2436W-FSから発せられる光をチェックすると、初期状態のUser 1モードに比べてブルーライトと呼ばれる400〜500ナノメートル前後の光が半減していることが分かる。
ちなみに一般的なブルーライト対策メガネはブルーライトを約30〜50%低減する効果があるので、このPaperモードを使えば、ブルーライト対策メガネに頼らずとも目に届くブルーライトの量をほぼ同等の量、あるいはそれ以上減らせることを意味する。
もう少し詳しく見てみよう。Paperモードでは色温度が低めの4500Kに下がることが特徴だが、この色温度だけにフォーカスしてディスプレイの設定を変更すると、ブルーライトの量がどの程度変わるのだろうか。初期設定のUser 1モードに設定し、色温度を10000K、9300K、8000K、6500K、5000K、4500Kと段階的に下げながら、光スペクトル分布を計測してみた。
結果は以下のスペクトル分布図の通りで、5000K以下になるとブルーライトの量が激減することが分かる。PCやインターネットコンテンツで一般的な色温度は6500Kとされるが、ブルーライト抑制のためにはこの値では不十分で、さらに下げてやることで、より一層の効果が得られるという結果となった。
ちなみに色温度ではなく、輝度を下げた場合もブルーライトの量は減るが、この場合は単に画面を暗くしているだけなので、ブルーライト以外の領域についても光量が減ることになる。初期設定のUser 1モードに設定し、輝度を100%(初期設定)、50%、30%、20%、10%と段階的に下げながら、光スペクトル分布を計測してみた。
ブルーライトだけを効率的に抑制したいのであれば、色温度を積極的に下げたほうが効果が高いが、輝度を下げること自体、目に入る光の刺激が減り、疲れ目抑制につながることは前述の通りだ。
つまり、色温度を4500Kまで下げるPaperモードを活用することは、ブルーライト対策に効果的で、これにAuto EcoViewの自動調光機能を組み合わせれば、さらに目にやさしい表示が常に得られるといえる。
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提供:株式会社ナナオ
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2013年3月31日
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