苦戦するWindows 10スマホは「二つ折りケータイ」の進化系を目指す?:鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(2/2 ページ)
Microsoft純正スマートフォン「Lumia」の販売終了が続く中、米特許商標庁に登録された新たなデバイスの姿が話題となっている。
次のWindows 10 Mobileデバイスに注目が集まるが……
MicrosoftがWindows 10 Mobileをこのまま自然消滅させるつもりがないのであれば、何らかの形で活用しようとしているのだろう。それが何度もうわさだけが出ている「Surface Phone」なのかもしれないが、いま最もホットなのは、最近登録されたMicrosoftの特許で紹介されているデバイスだ。
この特許は「Mobile computing device having a flexible hinge structure」の名称で示されるフレキシブルヒンジを採用したコンピューティングデバイスに関するもので、米特許商標庁(USPTO)のサイトで参照できる。
特許申請が即関連製品の発表につながるものではないものの、過去に「Courier」という折りたたみ式のデュアルスクリーン端末の開発を続けていたことが知られるMicrosoftだけに、再び同種のデバイスに興味を示していることが分かっただけでも面白い。
筆者がここ1〜2年ほど周辺取材を続ける中で、有機ELパネルメーカーとしても知られるLGとSamsung Electronicsが2017〜2018年くらいのタイミングで「折り曲げ可能なディスプレイパネル」を採用したスマートフォンまたは小型タブレットを市場投入すべく研究開発を進めている、という話を聞いている。
2017年中にはAppleがiPhoneで有機ELパネルを採用したモデルを投入するといううわさもあり、これをけん制する意味合いも込めて、製品または技術のコンセプトモデルを先行投入するというわけだ。
Microsoftがこのレースに乗るかどうかは分からないが、既にスマートフォンのコンシューマー市場での直接対決を避ける戦略に舵を切っているのであれば、全く異なる分野での勝負に出る可能性ある。
最近、Microsoftはクリエイター向けのデバイスや周辺機器の整備に力を入れているが、ひょっとするとWindows 10 Mobileを採用した全く新しいタイプのデバイスはこうしたユーザーをターゲットとしているのかもしれない。
新しいダイヤル型入力デバイス「Surface Dial」。写真は大画面の液晶一体型デスクトップPC「Surface Studio」の画面に置いて、ダイヤルを回すことで、カラーパレットを選択している様子。ダイヤルの周囲にカラーパレットが表示されるのがユニークだ
関連記事
- 2017年の年明けから急ピッチで改良が進むWindows 10 次期大型アップデートは今春配信へ
今春に配信予定のWindows 10次期大型アップデート「Creators Update」。Microsoftはその完成度を高めるべく、年明けから開発プレビュー版をハイペースで更新している。 - スマホは本当にポストPC時代の覇者なのか? Windowsデバイスが変わる2017年
ポストPCが叫ばれて久しいが、スマホ需要も一巡し、パーソナルコンピューティングの世界はその先へ進もうとしている。2017年にMicrosoftとWindowsが進む道を考察する。 - 米Microsoft直営店でiPhoneやAndroidが目立っている理由
日本にはない米Microsoft直営店をクリスマスシーズンに訪ねてみた。 - Windows 10が次に実現する「PCではない未来のデバイス」とは?
2017年春に予定されているWindows 10の次期大型アップデート「Creators Update」に伴い、いよいよPCのカタチが変わろうとする予兆がある。 - ついにSnapdragonがPC向けWindows 10をサポート 新Surfaceの布石か?
Windows 10 Mobileの不調が伝えられる中、Qualcommの次世代SnapdragonプロセッサがPC向けWindows 10の動作をサポートすることが明らかになった。 - Windows 10スマホでPC向けx86アプリが動くようになる?
アプリの充実度に課題がある「Windows 10 Mobile」。ついに、Windows 10世代のユニバーサルアプリではなく、既存のPC向けx86アプリをエミュレーションで動作させる計画のウワサが出てきた。 - Windows 10 Mobileスマホがおサイフになる日は近い?(追記あり)
スマホ選びで基準の1つとなる「おサイフケータイ」対応。Windows 10 Mobileスマホも次期大型アップデートでタッチ&ペイの決済機能が加わるかもしれない(日本の対応時期も気になるところだが)。 ※記事末に追記あり - Microsoftは純正スマホ「Lumia」をやめてしまうのか?
フィーチャーフォン事業の売却を発表した米Microsoft。この売却は同社のスマートフォン事業にも影響を与えるのだろうか。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.