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Windows 7と10のサポート期限がより複雑化 法人向け7は有償で3年延長も鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(2/2 ページ)

新Windows、新Office、そしてクラウド環境への移行を加速させたいMicrosoftだが、市場動向や顧客ニーズに合わせたサポートポリシーの変更で例外が多くなり、ユーザーにとってより分かりにくい状況になってきた。

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Office 365 ProPlusのサポート期間も変更

 Microsoftはこれに伴い、Office製品のサポート期間も幾つか変更している。

 まずはOffice 365 ProPlusを「Windows 8.1」と「Windows Server 2016」で利用した場合のサポート期間だ。Windows 8.1+Office 365 ProPlusのケースでは2023年1月まで、Windows Server 2016+Office 365 ProPlusでは2025年10月までに変更した。

 前者については、Windows 8.1の延長サポート終了日である「2023年1月10日」に合わせたものだ。後者については、本来であればWindows Server 2016の延長サポート終了は「2027年1月11日」だが、それよりやや短い。

 2018年2月のポリシー改定では、両製品ともに2020年1月14日がサポート期限だったことを考えれば、それなりに期間を延長しているものの、Windows Server 2016について少し不自然な設定に思える。

 前述のジョー・フォリー氏がMicrosoftのコメントとして伝えるところによれば、「Office 2016をWindows Server 2016上で動かしたときのサポートが2025年10月まで提供される」ことに合わせたのが理由で、その影響でOffice 365 ProPlusのサポート期間が延長されたようだ。

Office 2016のOffice 365サービス接続の期限も延長

 またMicrosoftは今回のサポートポリシー変更に関係して、「Office 2016によるOffice 365サービスへの接続」が可能な期間も延長している。

 当初Microsoftは、2020年1月14日のWindows 7延長サポート終了をもってOffice 2016の同機能を終了し、Office 365 ProPlusや「Office 2019」への乗り換えを推奨すると通達していた

 だが恐らくは、Windows 7 ESUの影響でこの期間も延長しており、最終的に2023年10月までOffice 2016によるOffice 365サービスへの接続が可能になった。ここに来てOffice 2016の寿命が延びた形だ。

シンプルだった製品ライフサイクルがどんどん複雑に

 Microsoftとしては、過去にWindows XPのサポート期間で延長に次ぐ延長を行い、結果的に多くのユーザーを混乱させた反省もあり、製品ライフサイクルを「メインストリーム5年+延長5年」の計10年にシンプル化したはずだった。

 そして今、Windows 7の延長サポート終了が近づき、顧客からWindows 10への早期移行や大型アップデート周期に対応しきれないとの声が少なからず聞こえてくる中で、より柔軟なサポートポリシーの変更に踏み切ったわけだが、結局は多くのユーザーにとって非常に分かりにくいものになってしまった感がある。

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