月2800円でSurface GoとOffice 365が使える「Surface All Access」の狙い:鈴木淳也の「Windowsフロントライン」
スマホの割賦販売のように、SurfaceデバイスとOffice 365を月額24.99ドルから利用できる「Surface All Access」。その内容とMicrosoftの狙いとは?
米Microsoftは10月2日(現地時間)、米ニューヨークで「Surface」シリーズの新製品をまとめて発表した。「Surface Pro 6」「Surface Laptop 2」「Surface Studio 2」「Surface Headphones」といった新ハードウェアに注目が集まる一方、同時発表の「Surface All Access」という新サービスも見逃せない。
Surface All Accessとは、金利なしの24カ月分割払いでSurfaceシリーズのデバイス本体を購入でき、その間は「Office 365」のサブスクリプションも付属し、さらにMicrosoft Store店舗でのトレーニングやサポートも受けられるというサービスだ。米国の店舗で10月16日に開始する。スマートフォンを通信キャリアとの2年契約で購入・利用できる割賦販売に近いものといえる。
月額料金は、Surface Go(Type Cover付属)が24.99ドル、Surface Pro 6(Type Cover付属)が47.87ドル、Surface Laptopが46.63ドル、Surface Book 2が54.96ドル、Surface Studio 2が150.79ドルだ。つまり、Surface GoとType Cover、そしてOffice 365をまとめて月額2800円程度で利用できることになる。
「Surface Plus」を引き継ぐサービス「Surface All Access」
実はこのSurface All Access、米国で主に教育分野をターゲットに展開されていた「Surface Plus」というサービスの後継にあたるものだ。本連載でもお伝えした通り、Surface Plusは開始からわずか1年あまりで新規の受け付けを停止し、サービスが終了へと向かっている(同時期にスタートした「Surface Plus for Business」についての変更はないという)。
Surface PlusはSurface All Accessと同じように、Surfaceシリーズのデバイスを例えば24カ月などの分割払いで購入・利用できるサービスだ。期間満了とともにデバイスをそのまま受け取って所有できる他、18カ月が経過した時点で旧デバイスの返送を条件に新デバイスへと乗り換えることが可能だった。
毎月数千円程度の一定料金を払い続けることで、最新のSurfaceデバイスを乗り換えながら使い続けられるサービスということで、Appleが米国などで行っているサービス「iPhone Upgrade Program」のMicrosoft版ともいえる。
しかしSurface Plusは新規の受け付けが終了してしまい、既存のユーザーには同等の仕組みが継続提供されるとMicrosoftは説明しているものの、実質的に「最新のSurfaceデバイスに乗り換える」ということは不可能になってしまった。
狙いは「Microsoftのクラウドを極限まで活用してもらう」こと
そこで登場したのが、今回のSurface All Accessというわけだ。Surface Plusとの主な違いは、期間満了後のデバイス乗り換えについてアナウンスがないこと、新規に選択可能なデバイスとしてSurface Goが加わったこと、そしてOffice 365のサブスクリプションが必ず付属することにある。
Office 365の付属によって月額料金がそれほど上がるわけではないため、トータルでみればお得なサービスといえるが、Microsoftで最近顕著な「ユーザーのクラウド誘導」を推し進める施策としてプッシュしてきた印象がある。
ちなみに、Microsoftは8月にDell Preferredと共同で「Xbox All Access」というサービスを米国で開始している。Xbox All Accessは「Xbox One」のゲーム機本体のリースだけでなく、ゲームタイトルなどをサブスクリプションで利用できる権利が付いているのが大きな特徴だ。
Surface All Accessもファイナンシングに関するパートナーはDell Preferredで、Surface PlusのパートナーがKlarnaだったことを考えると、この点にも違いがある。Surface All AccessもXbox All Access同様、ユーザーがデバイスを入手するための初期費用を抑える施策とともに、「Microsoftのクラウドを極限まで活用してもらう」という性質を付与してリニューアルしたわけだ。「ハードウェアはサービス利用のための呼び水」という意図が感じられて興味深い。
Surface GoのLTEモデルはそろそろ発売か
最後に、もう一つだけSurfaceに関する情報で締めたい。「2018年内」と予告されていた「LTE搭載Surface Go」だが、間もなく市場投入されそうだ。
インドのWindows Latestは、「Surface Go with LTE」とみられるデバイスが米連邦通信委員会(FCC)の認証を得たことを報告した。10月末から11月中旬にかけてホリデーシーズン商戦をターゲットに登場するとみられる。そうなれば、日本国内でもそう間を置かずに発売されるだろう。
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