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第3回 大量の写真画像をIllustratorで自動配置し、スーパーのチラシを短期間で制作する「エヌティ企画」(2/4)
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Illustratorを使ったDTPでDB処理が必要な理由
エヌティ企画は13名のスタッフからなる、広告チラシ制作専門の会社です。新聞への折り込みで家庭に配られる広告チラシは、非常に短時間で制作するにもかかわらず、写真点数が多く、商品の価格も一定していない。このため、制作サイドとしては非常に厳しい条件で仕事をすることになるわけです。7年前にこの業務を開始したエヌティ企画(当時はタミヤの一部門)では、最初はIllustratorを使って手作業でDTPを行っていたのですが、期間の短縮を考えると、そこにはかなりの無理が起きてきます。現在ではレギュラーの仕事として1週間に25本のチラシ制作の仕事を5人のIllustratorオペレーターでこなしているわけですが、その当時ではこれだけの分量をこなすのは到底無理だったことでしょう。
「同業者に聞いた話ですが、チラシで使う商品写真が集中管理されていないところでは、個々のオペレーターのところに写真データがあるんです。それで、『この肉の写真を持っている人』とある人が聞くと、『それは私が持ってる』と答えるようなシステムです」と山村副社長。LANが普及しはじめのころに、フロッピーディスクを持ってマシン間をうろうろしていた「スニーカーネット」を思わせる光景です。
DTPは印刷業務の効率を著しく向上させましたが、一方でオペレーターへの負担が非常に大きくなってしまう弊害も産んでいます。旧来の写植作業であれば、文字打ちの担当者、写真の担当者などが分業化されており、それは、今回の例のように、たくさんの画像点数を扱う場合に顕著で、B3判2ページで200点近い写真を扱う場合、200回、画像インポートのダイアログボックスを開くだけでも大変なことです。この作業をIlllustratorのオペレーター自身が行っていては、このパートだけでも数時間を要してしまうことになります。
エヌティ企画では、5年前からこの部分をデータベース処理で効率化することに着手しました。DTPで使うためのデータベースソリューションとして、シータ開発による「Theta ECHOS(シータ・エコーズ)」をカスタマイズすることで、業務に適したシステムにすることができたのです。
[松尾公也, ITmedia
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