PC各社、AIチップとArm搭載「Copilot+ PC」を一斉発表 新Surfaceは「M3 MacBook Airより高速」
Windows PCメーカー各社がMicrosoftを筆頭に、高いAI実行性能を持つ「Copilot+ PC」で攻勢に出た。
米Microsoftは5月20日(米国時間)、同社のAIアシスタント「Copilot」などAIの実行に適したWindows PCカテゴリとして「Copilot+ PC」を新設した。同社のPCブランド「Surface」からは、Armチップである米QualcommのSnapdragon X Plus/Eliteを搭載する「Surface Pro」「Surface Laptop」が登場するほか、台湾Acer、台湾ASUS、米Dell、米HP、米Lenovo、韓国Samsung ElectronicsもSnapdragon搭載のCopilot+PCを同日に発表した。
Snapdragonは、従来スマホ向けにQualcommが提供してきたSoC(System-on-a-Chip)で、CPUやGPU、通信モジュールなどがまとめて搭載されているArmアーキテクチャのチップ。ArmチップはWindows PC向けには主にMicrosoftがSurfaceシリーズの一部で展開してきてはいたが、米Intelや米AMDのCPUとはアーキテクチャが異なることからソフトウェアの互換性に課題があり、広まってはいなかった。
Copilot+ PCカテゴリは、Snapdragonに限らずIntelやAMDのCPU(Lunar LakeやStrixのコードネームで呼ばれるもの)にも今後適用されるとしているが、今回発表されたのはSnapdragon X Plus、Snapdragon X Elite搭載マシンのみ。その他、Copilot+ PCの要件としては「16GB以上のDDR5/LPDDR5メモリ」と「256GB以上のSSD/UFSストレージ」が挙げられている。
MicrosoftはSnapdragon X Eliteを搭載したSurface Laptopについて「M3を搭載したMacBook Airよりも高速」として、先行してArmチップ「Apple Silicon」を搭載しているMacに対して優位性をアピールしている。
互換性については多くは触れられていないが「新しいPrism emulationエンジンでSurface Pro 9 with 5G(2022年11月発売のArm搭載マシン)に比べ2倍の性能」としている。Armアーキテクチャネイティブに動作するアプリとしては、「Adobe Creative Cloud」や「Microsoft 365」「Chrome」が例として挙げられている。
また、MicrosoftがCopilot+ PCで強調しているのがAI実行に適した「強力なNPU(ニューラル・プロセッシング・ユニット)」を搭載している点だ。Copilot+ PCであれば、40TOPS(1秒当たり45兆回のオペレーション)以上の実行性能を持つという。
こうしたNPUにより、同社が同日に発表した新たなAI機能である、PC上でユーザーが見たことがあるものを過去にさかのぼってAIで検索できる「Recall」(リコール)や、「ペイント」アプリで下書きと説明からイラストをAI生成する「Cocreator」(コクリエイター)、備え付けの字幕がなくともオーディオやビデオコンテンツの字幕を自動生成する「Live caption」(ライブキャプション、英語や日本語など40以上の言語に対応)といった機能を利用できるようになる。
その他、NPUによって「Davinci Resolve」「CapCut」といった動画編集アプリの一部機能が高速化するほか、PCのアクセシビリティをAIで補助するプラットフォーム「Cephable」の多くの機能の応答性能が向上するという。
こうした機能を実現するとしているSnapdragon X Plus/Elite搭載Windowsマシンは、Surface LaptopとSurface Proの他にも、Acerの「Swift 14 AI」、ASUSの「Vivobook S 15」、Dellの「XPS 13」、HPの「EliteBook Ultra AI PC」、Lenovoの「ThinkPad T14s Gen 6」、Samsungの「Galaxy Book4 Edge」などを各社が一斉展開した。
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