米Microsoftが5月20日(米国時間)に発表した、新しい「Surface Pro」(第11世代)と「Surface Laptop」(第7世代)。いずれも米QualcommのArmアーキテクチャSoC「Snapdragon X Plus」「Snapdragon X Elite」を搭載し、特にSnapdragon X Elite搭載のSurface Laptopは米AppleのM3搭載MacBook Airよりも高速とMicrosoftはうたっている。
この記事では、Surface ProとSurface Laptopのコンセプトや詳しいスペックについて見ていこう。
同日にMicrosoftは、高いAI実行性能を担保するWindows PCカテゴリとして「Copilot+ PC」を発表した。今回のSurfaceシリーズはMicrosoftとしてそのコンセプトを体現した形だ。Microsoft以外のPCメーカー各社もCopilot+ PCを発表しているので記事を別途参照してほしい。
Copilot+ PCの要件は、(1)40TOPS(1秒間に40兆回の演算)以上の性能を持つNPU(ニューラル・プロセッシング・ユニット)を持っているとしてMicrosoftが承認するプロセッサやSoC、(2)16GB以上のDDR5/LPDDR5メモリ、(3)256GB以上のSSD/UFSストレージ──の3点だ。
これらの要件は、MicrosoftのAIアシスタント「Copilot」や、生成AIなどのAI処理をデバイス上で高速に実行するために求められているもの。
現在の「ChatGPT」などの高度な生成AIサービスはAI処理をサーバ側で行っている。そのためデバイス側の処理性能は必要ない一方、外部送信となるためプライバシーなど機微な情報の扱いには必ずしも向いていない。
デバイス側の処理性能を上げることで、デバイスのみでの処理、あるいはデバイスとサーバでのハイブリッド処理といった道が開ける。MicrosoftはCopilot+ PCでそうした「AIを実行する場所」の選択肢を広げていく考えだ。
新しいSurfaceが搭載するSnapdragon X Plusは、CPUは10コアの「Qualcomm Oryon」を搭載。最大クロックは3.4GHz。GPUの「Qualcomm Adreno」の浮動小数点演算性能は3.8TFOPS(3.8兆回/秒)。NPUの「Qualcomm Hexagon」の8ビット整数演算性能は45TOPS(45兆回/秒)。
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